(くるり)
・・・あっ
・・・えっと
・・・と、そ、そんなコトより、ちょっとお話があってーー
・・・そんなコトより ?
そうか
ーーだが、俺はあんたと話す義理などこれっぽちもないからな
わかったら、さっさと帰れ
・・・そ、そんな
・・・あ、あのっ、ホントに困ってるんです
・・・と、とにかく、話だけでも
ーー断る
ーーなんで、この俺が貴重な時間を割いてまで
ーーあんたのくだらんヨタ話につきあわなきゃならんのだ
ーーそれに、あんたが困ってようがどうしようが俺の知ったことじゃない
ーーま、どうしてもというのなら弁護士を通すんだな
ーーウチの最強弁護士軍団が、いつでも
ーー《返り討ち》にしてやるぞ
ーー話は以上だ
ーーじゃあな
(くるり)
・・・そ、そんなっ
・・・あ、あのっ
ホントのホントのホントに、困ってるんですっっ
・・・派遣会社に事情を話しにいっても
・・・うえ(本社)が、決定したことだからって、全然とりあってもらえなくてーー
ごめんね~
・・・本社に行っても、門前ばらいで会ってすらもくれないし
・・・し、しつこいなあ
・・・おシゲさんーー 茂田さんも、ショックで寝込んでしまって
・・・
ーーふん、そんなもの自業自得だろう
ーーこれに懲りたら
ーー軽はずみな行動は厳に慎むことだな
いい教訓になっただろう
ーーわかったら、さっさと消えてくれ
目障り だからな
・・・そ、そんな
・・・あの、ちょっと
・・・ちょっと、待っーー
( ミツコさんの手 )
はしっっ
( スーツのジャケットの裾をつかむ )
ーーなっ・・・