アルド

…………

ルーク

どうだ、アルド?誰かいるか?

アルド

ううん、ここにもいない

ルーク

参ったな、鉄格子の部屋は全部調べたのに……

アルド

誰もいない、なんて……

…………

ルーク

くっそ、これじゃあ上に戻れないぞ

……人、じゃないんだよ

ルーク

ん?

戻ろう

ルーク

ちょ、引っ張るなよ

アルド

どういうこと、フェンさん?

……あの装置、嫌な匂いがしたんです

ルーク

嫌な匂い?

錆びついた、鉄の匂い

ルーク

!!

アルド

それは、その

はい、おそらく血の匂いかと思われます

相当月日が経っているんでしょう、匂い自体は薄かったです

ルーク

なるほど……あの装置に触れるほど近づいたフェンでないと、分からないほどの微かな匂いだったんだな

うん……ルークは気付いていたかもしれないけど、血痕もあった

"一人の人間から出た出血量"とは思えないぐらい、大規模のね

ルーク

…………

ルーク

じゃあ、話が早いな

アルド

……ごめん、どういうこと?

ルーク

あの装置には、決まった形の鍵がないんだ

アルド

……うん???

ルーク

更新されていくんだよ、装置を動かす指紋自体が

ルーク

今、あの装置を動かすことができる指紋の持ち主は

私、です

アルド

……本当に、大丈夫なの?

ルーク

ああ。ボク達の考えが正しければ、何かしらの反応が返ってくるはずだ

アルド

切り落とした手の指紋が、鍵となる……

アルド

確かにフェンさんの手は切り落とされそうになったし、そう考えたらフェンさんの指紋で動くんだろうけど

アルド

本当に……本当に、そうなんだろうか

よーし、張り切って手をのせるぞー!

ルーク

アルド

アルド

なに?

ルーク

大丈夫だ

アルド

え?

…………

アルド

っ、さっきと同じ音だ……!?

ルーク

アルド、大丈夫から

アルド

……えっ?

成功、したみたいだね

アルド

……壁がスライドして、扉が……?

ルーク

さっきの壁は、ハリボテだったのか

行きましょう、アルドさん!

ルーク

ぐぇっ!?

ルーク

ぼ、ボクを引っ張るなぁ!!

アルド

…………

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