アヤ

やあ、ハロルド

ハロルド

…ああ

アヤ

見違えるねえ~!大きくなったね~!

ハロルド

…何を今更

アヤ

いやほら!
今日は8月30日、君の10歳の誕生日の前日だろう?

ハロルド

…そうだな

アヤ

それで提案だ。例の事…決行日は五年後…君の15歳の誕生日にしてみないかい?

同時にアヤが手に持った紙には
”決行は四年後、14歳の誕生日前日”
と書かれていた。

ハロルド

…!

アヤ

ほら、やっぱり、ね?サプラーイズ!って感じで!やりたくない?

ハロルド

そ、そんな軽い気持ちでここまで来たわけじゃないのは、貴方が一番知っている筈だ!

アヤ

勿論。だからだよハロルド…

アヤ

気心知れあってる人間同士で、重い雰囲気のまま進めると思うように話が進まなくなる時がある
それに、これは特に重要なことじゃないんだ

ハロルド

…?どういうことだ

アヤ

この7年…君は本当によく頑張ったし、体力や計画性はまだだとしても、経験も実力も大きくついた
だから、ボクは全く不安を感じてない

アヤ

いや~!うれしいよ!
流石ボクの弟子って感じ!

ハロルド

アヤ

だから、正直決行はいつでもいいんだ
君の思う日でいい。君がやりたい時でいい


またアヤは紙を手に持った。
”実力は申し分ない、けれど、経験は足りない”
”あと四年でしっかり経験を積むんだ、いいね?”

アヤ

…ね?ほら、今まで練習で色んな動物を狩ってきたろ?デカさが違うだけ、人間なんてあんなもんさ。ボクの感覚的にね!

アヤ

君は、変わったからね…きっと上手くいくよ!

ハロルド

…貴方は変わらないな、それに、自分のことを何も教えてくれやしない。

アヤ

へへへ、ミステリアスな大人の殺し屋って感じでいいでしょ?というか、語れるような経歴がないからね!

ハロルド

…結局何歳なんだ、この人

アヤ

そんな目をしてもダメだよ、教えてあげない!

アヤ

今の君ならどの言葉が嘘で、どの言葉が本当かわかるはずだ。

ハロルド

…わかった。というか、端から教えてもらえるなんて思ってない

アヤ

良く分かってるじゃないか~それでいいんだよ!

アヤ

さ、次会うのは一週間後だ、いいね?

ハロルド

…ああ、了解だ。

アヤ

そうだ、君に最後の課題を与えよう

ハロルド

…なんだ

アヤ

…作戦実行前に、ボクを必ず殺すことだ

ハロルド

…え

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