片付けが終わると帰宅組は帰り、子供達も部屋で寝付く。
そんな中、結月達は四人で集まっていた。
片付けが終わると帰宅組は帰り、子供達も部屋で寝付く。
そんな中、結月達は四人で集まっていた。
今日は有難うな。色々助かった
明彦がそう切り出すと皆も同じように返す。
アキこそ企画とか手伝ってくれて本当に助かったよ、有難う
こちらこそ二人とも有難う。俺も楽しかったから
私も呼んで貰えて嬉しかった。有難う
返した三人の表情は笑顔だった。
この後はユズちゃんの家に旗仲さんが行く訳だよね?送るよ。勿論アキ君もそうするでしょ?
ああ
敬一の言葉に明彦も頷く。
すぐ近くなのに良いの?
結月は驚いて返すが、当然、というように二人は頷く。
ああ
幾ら近くても女の子二人だけで夜に外を歩かせるのはちょっとね
そう言うと二人は身を翻し、玄関に向かおうとする。
あ、待って
結月は驚いて二人を追おうとしたが、そこで美咲が呆けている事に気付いた。
…………
ミサちゃん、どうしたの?
……あっごめん
…………?
慌てて謝る美咲に不思議そうな視線を向ける。
え、えっと大した事じゃないんだけど……女の子扱いってされた事無いから驚いちゃって
へぇ、ミサちゃんでも驚く事ってあるんだねー
ほらうちって男兄弟ばかりだからさ……女の子として認識されてるのかどうかも怪しいような感じでね。私も自分で女の子らしい性格してないってのもわかってるし……。
だから乙女ゲームに嵌ったのかも知れないけど……
そっか……じゃあさ、折角だし楽しもうよ。女の子扱いされるの
えっ
驚いて声を上げる美咲の手を結月は引いた。
そのまま玄関で待ってる明彦と敬一の許へと辿り着くと、二人に言う。
アキ、ケイ君。ミサちゃんがね、女の子扱いされるのに慣れてないから驚いているんだって
ちょ、ちょっとユズちゃん
美咲は頬を赤くしながら慌てて結月を制そうとするが、彼女は止まる気配が無い。
だから楽しんで貰いたいなーって思ったんだけど
その言葉に敬一が面白そうに言った。
それは良いね。じゃあ折角だし……お手をどうぞ、お姫様
言いながら美咲に手を差し出す。
なっ
美咲は更に頬を赤くした。
流石にアキ君にやらせる訳にはいかないからねぇ。俺で悪いけど
ほらミサちゃん
結月が美咲の背中を押す。
う……
美咲は恥ずかしそうにしながらも結月の視線が気になり、おずおずと敬一の手を取った。
それを見て明彦も何かを考えた様子で結月の方に手を差し出す。
……ユズも手、繋ぐか?
え!?
まさか明彦がそんな行動を取るとは思わず、結月は驚いてしまう。それでも少し照れながら、彼の手を取った。
う、うん……ありがと
そうして手を繋いだまま、四人は結月の家に向かう。
たった数分の道のりだが、思い出になるには十分だった。
送ってくれて有難う、アキ
神谷君も……有難うね
結月の家の前に着くと結月と美咲はそれぞれ送ってくれた二人に挨拶をした。
救世主の為に当然の行動をしたまでだ
どういたしまして。それじゃあ又明日、かな。旗仲さん
男子二人もそれぞれ返した。
その声に結月と美咲はもう一度お礼を言う代わりにお辞儀をすると、結月の家に入っていく。
それを見守って、明彦と敬一も明彦の家へと戻った。
楽しいクリスマスを過ごせた四人は……きっと良い夢が見られるとそれぞれ思っていたのだった。