何本も整然と並べられた街灯や、


塾教室から溢れた室内光や、


道路をうるさく走る車のヘッドライトなんかのたくさんの光が、


落ちてくる雪に反射するおかげで、


真冬の今日の帰り道はいつもより少し明るく感じた。



都会の人混みの中を歩き続けていると、たくさんの話し声が聞こえてきて頭が痛くなる。


この前なんかペットショップの前を横切ったとき、


動物の話し声までもが幻聴で聞こえてきた。


僕は人混みがとことん苦手のようだ。


こんな雑踏の中を歩き続けていると、ついつい〝扉〟を開けたくなる……。

藍美 輪の話 プロローグ

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