~僕は駆け出し薬草師~
~僕は駆け出し薬草師~
旅の記録帳
(16)
トイトイ砦 ~ 戒めの海域
『第187幕~第197幕』
〈トーヤ提督の活躍〉編
【あらすじ】
トイトイ砦を奪還したトーヤたちは
マイルの進言もありウェイブの町へ戻って
水路で副都を目指すことにした。
用意された戦艦の船長として
マイルがスカウトしたのは
かつてトーヤたちが便乗した貨物船を
運航していたウィル船長だった。
ただ、急な作戦決定だったため、
船員は半分がウィルの配下で
残りは臨時雇いとなり、
その中にいた老船員とウィルの間で
トラブルも発生。
それをトーヤたちは間に入っていさめつつ、
出港となった。
やがて極北の海に着き、
副都へと向かおうかという時、
トーヤは船の進路がおかしいことに気付く。
なんとウィルは副都側と通じていて、
トーヤたちを戒めの海域で
殲滅しようとしていたのだ。
戒めの海では魔法が使えず、
しかも副都の艦隊が待ち構えている。
ウィルを倒そうにもそうなったら
操船する者がいなくなってしまう。
だが、クロードはそれを織り込み済みの上、
ウィルを雇っていた。
ダマされたフリをして
副都の戦力を分散させ、
撃破する作戦だったのだ。
臨時雇いだった船員も
クロードがスカウトした者たちで、
その中には勇者アレスの仲間である
バラッタ船長もいる。
こうして艦隊撃破作戦が開始され、
トーヤは大砲の扱いを任された。
そこで彼は砲撃手としての才能を開花させ、
艦隊を撃破。
いよいよトーヤたちは副都へ迫るのだった。
【行程】
トイトイ砦 → ウェイブの町 →
ギガル川 → 極北の海 → 副都の手前
トイトイ砦 ~ ウェイブ:数日
(魔動城を利用した場合の日数)
ウェイブ ~ 極北の海:3日
(船を利用した場合の日数)
極北の海 ~ 戒めの海域:数日
(船を利用した場合の日数)
【主な登場人物】
※各項目は旅が進むに従い、
内容が変わっていきます。
あくまでもその時点での情報であり、
新たな事実が判明した場合は
置き換わります。
名前:トーヤ
職業:薬草師
種族:魔族(元・下民)
性別と年齢:男/14歳
●身分制度が撤廃され、
王城で薬草師として働けるようになった。
推薦したのはデリンで、
彼が後見人も務めている。
●勇者アレスは恩人であり親友。
定期的に手紙でやり取りをしている。
少しでも彼に近付けるよう努力している。
●薬草師としてのレベルは高い。
植物の知識も豊富。
●注意力が高い方で、
変化などに最初に気付くことも多い。
●調薬のための道具を持ち歩いている。
●カレンは仕事上のパートナー。
初めて会った時から
優しく接してくれた彼女に
深い感謝の気持ちを持っている。
最近は異性として意識するような
兆しもみられるように……!?
●クロードのことは
いい友達だと思っている。
●天然ボケをかますことがある。
セーラに対しては
ツッコミ役に回ることが多い。
●警戒心があまりない。
純粋すぎてすぐに他人を信じてしまう。
●プレプレ村での一件ののち、
アポロとは親友同士に。
●腕力は並の人間と変わらない。
●武器はセーラの作った
スタッフ・スリング。
トーヤ自身は『フォーチュン』と
名付けた。
接近戦では護身用のナイフを使う。
ナイフは微弱ながら魔力を帯びている。
●戦闘では主に回復担当。
ただし、遠距離攻撃が必要な時や
状況によっては主力となって戦う。
カレンとのコンビネーション攻撃もする。
●投てき武器を扱う能力も高い。
大砲の扱いも
瞬時にマスターしてしまった。
●状態異常無効化という特殊能力がある。
また、魔族は能力的に成長しないが、
トーヤには成長できる余地があるという
特殊能力(体質)がある。
●トーヤはレオンによって作り出された
不老不死の薬に対抗できる存在。
血液にはその効果を打ち消す力がある。
状態異常無効化の特殊能力は
その副次的な効果によるもの。
●ヴァンパイアであるロンメルに
血を吸われたが、
状態異常無効化能力により
ヴァンパイア化しなかった。
一方、そのメリットのみが発現し、
魔法力が大幅にアップ。
火の魔法など初歩的なものは
使えるようになった。
魔方陣に魔法力を流し、
消滅させることもできるように。
●エルム、ロンメルと契約を交わし、
ふたりを使い魔とした。
●ギーマに落第薬草師と呼ばれてしまった。
薬草師としての未熟さを知ると同時に、
腕を磨き続けていく決意をする。
●よく女の子と間違われる。
●子犬のヘアピンはミーシャに預けた。
いつか再会する時に返してもらう
約束をした。
●遊撃グループのリーダー。
最近はその自覚が出てきて、
言動もそれに見合うようになりつつある。
●瀕死のライカに口移しで薬を飲ませた。
名前:ライカ
職業:薬草師
種族:魔族(元・平民)
性別と年齢:女/123歳
(外見は18歳くらい)
●サンドパークの町立施療院で働いていた。
●シンディの実質的な弟子。
薬草師としての技術も持っている。
●トーヤの薬草師としての技術の高さに
憧れている。
ただ、彼女自身も一般的な薬草師よりは
レベルが高い。
●薬草師としてのレベルは
トーヤの方が圧倒的に上らしい。
今では彼の助手的な感じになりつつある。
●トーヤのことを最初は女の子だと
勘違いしていた。
●最近はトーヤに対して特別な感情を
抱いているような素振りが……。
●サンドモービルを扱える。
●バインドや結界魔法、強化魔法、
探索魔法など、補助魔法全般が得意。
そのほかの系統の魔法や物理攻撃は苦手。
ただし、攻撃魔法の中では唯一、
光系だけは得意。
●光系の強力な魔法を操れるなど、
魔法容量は高い。
●食事の味付けにはうるさい。
これは薬草師ゆえの職業病のようなもの。
●祖母は占い師。出身はウェイブの町。
ライカ自身も幼いころに一度だけ
その町へ行ったことがある。
●サンドパークを出発する際、
旅に加わった。
トーヤがリーダーをしている
遊撃グループに引き続き所属。
●瀕死の状態に陥った時、
トーヤから口移しで薬を飲んだ。
ライカは意識がなかったため
その事実を知らない。
名前:クロード
職業:マイルの秘書
種族:魔族(元・中民)
性別と年齢:男/185歳
(外見は17歳くらい)
●サラサラ陸運でマイルの秘書をしている。
執事力(?)はかなり高い。
経営にも深く関わっているようだ。
●戦艦の製造や装備について指示した。
●トーヤのことが好き。
男性も女性も好きな性格らしい。
●商人としての知識や経験はあまりない。
ただ、マイルの仕事を手伝っているので
それなりの実力は自然に身についている。
本人は無自覚。
●計算高くて想像以上にドライ……らしい。
上司であるマイルに対しても
物怖じせずに迫ることがある。
●ウィルを罠に嵌め、
副都の戦力を削ることに成功した。
●陸走船では最高級の茶葉を使った紅茶と
王都の老舗・トイトイ屋のお菓子を
差し入れした。
その2つの相性は抜群。
●トーヤがミューリエと
茶飲み友達だと知り、
密かに自分もその仲間に入りたいと
思っている。
●バジリスクの攻撃により
瀕死の重傷を負った。
幸い、処置が早かったおかげで
一命は取り留める。
●剣と魔法を同時に操れる。
剣と魔法の複合技や身体強化魔法など、
戦闘力は高い。
また、魔法容量も高い。
●便利な魔法道具を持っている。
ただし、社有のものも含まれる。
●砂漠暮らしのせいか、目がいい。
●お肌がきれい。それは温泉のおかげ。
ノースエンドの温泉によく通っている。
●覗きをトーヤに勧めたりするので、
カレンには特に敵視されている。
●商売に関する情報収集をするよう
マイルから申しつけられているようだ。
アンカーのミスリルもその対象のひとつ。
●サンドパークを出発する際、
旅に加わった。
●マイルからの指示により、
副都到着後にパーティを離れて
サンドパークへ戻った。
その後、マイルとともに魔動城を動かし
トーヤたちに再び加わる。
名前:エルム
職業:トーヤの使い魔
種族:魔族(元・下民)
性別と年齢:男/12歳
●姉のニーレが大好き。
それゆえに失った悲しみは強い。
●優しく接してくれて、
同じ下民という境遇でも強く生きている
トーヤに憧れを感じている。
●トーヤを『兄ちゃん』と慕い、
帰らずの遺跡で使い魔となった。
●カレンやユリアなど
お姉さん的な相手に弱い。
●頭の回転が速い。機転も利く。
それはマイルも一目置くほど。
●ロンメルを特に敵視している。
●基本的に魔法は使えない。
だが、ロンメルとの対決では
光系の高位魔法を使った。
これは『ラーニング』という
特殊能力によるもの。
●ラーニングは見た技や魔法を
コピーすることが出来る能力。
ただし、一度にコピーできるのは
ひとつだけ。
●戦艦でトーヤの砲撃術を
ラーニングしたため、
以前にラーニングしていた
ライカの光系魔法は使えなくなった。
そのため、新たにクレアから
何かの魔法をラーニングするらしい。
●ラーニングを使用するには
生命力を消費する。
そのため、多用は出来ない。
●アンカーを旅立つ際、
正式に仲間に加わった。
トーヤがリーダーをしている
遊撃グループにも引き続き所属。
名前:アポロ
職業:魔術師/盗賊
種族:魔族(元・平民)
性別と年齢:男/不詳
(外見は17歳くらい)
●自称『魔界最高の魔術師』で、
あらゆる系統の魔法が使えるらしい。
本来であれば魔族には使えないはずの
破邪魔法も操る。
●破邪魔法の最高位
『破魔爆裂陣』を使える。
破邪魔法は対魔族用に
特化した系統の魔法で、
魔族が使う魔法に対しても優位性がある。
●結界魔法も使える。
●魔法容量が小さいため、
魔法を連続では使えない。
そこそこインターバルも必要。
●腹痛の演技をしてトーヤに近付き、
財布を盗もうとした。
だが、カレンに見破られて未遂に終わる。
●どこか抜けている。憎めない性格。
●プレプレ村の一件ののち、
トーヤとは親友同士に。
それゆえにトーヤと仲がいい
クロードに対しては
ライバル心を燃やしている。
●盗人から足を洗うことを
トーヤと約束した。
男同士の約束は破らないとのこと。
●ユリアとは同郷の幼なじみ同士。
旅の目的は今のところ不明。
●ユリアには頭が上がらない。
最近はトーヤにも
パシリ的な役割をさせられていることが。
本人は納得しての行動なのだが……。
●ユリアを助けてくれたトーヤたちに
御礼として『滴りの石』を手渡した。
滴りの石は砂漠地帯では
非常に価値が高い。
●ガイネの小屋に駆けつけ、
トーヤを助けた。
●大砲などの大型武器が大好き。
派手に破壊される様を見るのが
楽しいようだ。
●旅の途中でタックと出会ったらしい。
経緯などは不明。
●トーヤがリーダーをしている
遊撃グループに加わる。
名前:ユリア
職業:魔術師/盗賊
種族:魔族(元・平民)
性別と年齢:女/不詳
(外見は16歳くらい)
●ゴーレムを操る魔法が得意。
数体を同時に扱える魔法容量もある。
●攻撃魔法や剣による物理攻撃も操る。
平時はアポロより戦力になるかも。
●戦況を冷静に判断する能力がある。
●茶目っ気がある。
最近はアポロに対してだけでなく、
トーヤやエルムをからかうことも。
●遊撃グループの中では
トーヤのことをリーダーとして
一番認めている。
そのため、命さえ投げ出す覚悟がある。
●アポロとは同郷の幼なじみ同士。
旅の目的は今のところ不明。
●体はすっかり回復し、
トーヤがリーダーをしている
遊撃グループに加わる。
●旅の途中でタックと出会ったらしい。
経緯は不明。
名前:クレア
職業:女王の秘書/
女王の使い魔
種族:魔族(元・特民)
性別と年齢:女/不詳
(外見は18歳くらい)
●ミューリエの使い魔。
現在は秘書として
公務に深く関わっている。
王国を支えている1人。
●病呪で苦しんでいた。
その治療に使う薬の材料を
手に入れるため、
トーヤたちは奔走した。
●転移魔法でアレスの仲間を
多数救っている。
縁の下の力持ち的存在。
●ギーマとは気心が知れた仲のようだ。
●なんでもズケズケと言う性格。
ちょっと乱暴な一面も。
●トーヤがリーダーをしている
遊撃グループに加わる。
●物理攻撃時に使う武器は
両手に持ったダガー。
『かまいたち』に似た物理攻撃の技や
多彩な攻撃魔法なども使う。
●戦闘における実力は四天王にも匹敵する。
●性格は非情かつ冷静。
目的のためなら手段は選ばない。
ただし、その点についてトーヤは
苦々しく思っているところがある。
●諜報活動や隠密行動が得意。
トーヤの知らないところで
色々と動いているようだが……。
名前:バラッタ
職業:船乗り(船長)
種族:人間
性別と年齢:男/63歳
●平界にあるシャポリの町で
外洋船などを運航する
船舶会社の元社長で元船長。
現在は一線を退き、
町外れの小屋で暮らしている。
●船乗りとしての魂は
依然として持っており、
完全に引退したわけではない。
●息子のバリトンに社長職を譲っている。
●豪快な性格で変わり者だが、
一線を退いた今でも
船乗りたちからの信頼は厚い。
●無類の酒好き。
●船乗りの経験に基づいた知識を
持っている。
世界の理を直感的に
理解しているのかもしれない。
●魔界の海にも詳しい。
どうやら若い頃、
魔界へ足を踏み入れていたようだが……。
●アレスの協力要請により、
魔界で戦艦を操船することになった。
●戒めの海域では敵艦隊を撃破することを
トーヤに進言。
状況判断も的確にできる。
名前:マイル
職業:商人/
サラサラ陸運 COO
(最高執行責任者)
種族:魔族(元・上民)
性別と年齢:男/
不詳(外見は16歳くらい)
●ポートゲートで主に荷物の運搬を
請け負うサラサラ陸運の
最高執行責任者(副社長)。
●商人としてのレベルは魔界でも
トップクラス。
貴族などにも顔が利く。
●陸走船乗船時は指揮権を持つ。
●情報網を魔界のあちこちに
張り巡らせている。
商売に関することのほか、
社会情勢に関する情報の多くも
把握しているようだ。
●ポートゲートの商人ギルドで
理事も務めている。
理事は全部で8人いる。
●ポートゲートとサンドパークの交易で
かなり儲けている。
●セーラのことを全てにおいて
気に入っているようだ。
●トーヤやカレンに対しても
一目置いている。
●気に入った相手には投資を躊躇わない。
●陸走船での移動中、
トーヤに酔い止め薬の製造を依頼した。
その御礼として
トーヤたちを夕食に誘った。
●バジリスクとの戦いでは、
トーヤに『銀の弾』を託した。
●メインの武器は薙刀。
その腕前はアーシャに匹敵する。
サブウエポンとしては手槍を使う。
アポロ曰く、その実力はユリア以上。
●魔動城を建造し、王都側へ協力。
それは将来の商売を見越してのこと。
●時代の先を見据えて商売を展開。
●クロードを呼び戻したのは
サンドパークを守るため。
●トーヤたちに
水路で副都へ向かうことを進言。
自身は副都を兵糧攻めにすることに。
名前:イリス
職業:船員(砲撃手)
種族:人間
性別と年齢:女/18歳
●バラッタ直属の船員。
砲撃手としての腕前はまあまあで、
トーヤに砲撃手としての基本を教えた。
●船員たちの中ではそこそこ偉い。
部下もたくさんいる。
●本来はバラッタの息子が経営する
船舶会社で働いている。
名前:ウィル
職業:船乗り(船長)
種族:魔族(元・平民)
性別と年齢:男/260歳
●アンカーポート~副都で貨物船を
運航している船の船長。
●クロードのスカウトで戦艦の船長を
務めることになった。
●副都の魔族と通じていて、
トーヤたちを罠に嵌めようとしていた。
だが、クロードとクレアは
それを見越して
さらに一歩先の手を打っており
失敗に終わる。
●色々な意味でゲス野郎。
ただ、魔族としては
それが普通なのかもしれない。