第二十六幕
『怒りの灯火は告げられた真実に消える』
第二十六幕
『怒りの灯火は告げられた真実に消える』
……
私はかつてないほど怒っている。
この世界に『いじめ』という文化があることは知っていた。
マルクと違って常に法律に従い、肩身の狭い生活が生んでしまったものなのだろうか。
しかし、ここまで悪質だとは思っていなかった。
こんなのって、みんな酷いよ!!!
マチちゃん、僕は正義のヒーローになるんだ!
レナちゃんがユウキくんは悪者だって言ってるんだよ?
じゃあ成敗しなきゃ!
そうでしょ?
成敗って…
武士か?
ユウキくんは一言余計なの!
ちょっと黙っててよ!!!
あ、はい!
でさぁ、どうでもいいけど
早くしてよ
は、早くってなにを?
決まってるじゃない!
私に謝罪してよ!
土下座してさ!!!
ど、ドゥゲェーザ?
な、なんで私がっ!
早くして、これ以上抵抗するの?
もっと過激に追い詰めないと分からないかしら?
……
もう、我慢出来なかった。
ここで手を出せば私もあいつらと同類だ。
でもだからってこのまま耐え続けるだけなんて、そんなの無理だ。
私は右手に微かな火を灯した。
皆から見えないように。
これで人を傷つけるのは二回目、もう後戻りはできない。
おばあちゃん、ごめんなさい…
てかさー!
なにまだ文句あるの!?
いやさ、俺な
お前らに言われなくたって……
まじで転校するんだけど…
第二十六幕 終