煌炎

・・・腹減った。

花蓮を庇ったことにより、アッコロカムイに飲み込まれた煌炎は彼のお腹の中で思案する。

煌炎

飯食わねーとやる気でねーしな。

いつもの面倒くさい症候群も発症し、とりあえず地面にしゃがんでみる。

煌炎

・・・・意外と静かだし、寝れそう。

その煌炎の発言に思わぬところから声が飛ぶ。

コト

そのまま寝たら死んじゃいますよ!!!!

煌炎

あ?

コト

あっ・・・。

煌炎

んだ、あんた。
いつからそこにいた。
全く気配が・・・・。

コト

人怖いいいいいいいいぃいいいいい
いいいいいいいいぃいいいいい!!!!!!!

煌炎

・・・?

煌炎は身を起こし、近づこうとすると勢いよく彼女は後ずさって身を隠した。

煌炎

なんで人間がフンの腹の中にいんだよ。

コト

そ、それは・・・。
・・・!!
危ないです!!!

煌炎

おっ。

ぴちょん

じゅっ・・・

コト

せーふ・・・。
って人近いいいいいいいいぃいいい!!!
でも危ないから離れられないいいいい。

煌炎

・・・これは、もしかしてあんたコロポックルの先祖帰りか?

コト

ど、どうしてわかったんですか!?

煌炎

この蓮のかさとあんたの背丈。
それと人見知りなところだな。

コト

うっ・・・そうです。
私はコト、コロポックルの先祖返りです。

煌炎

さっきはさんきゅ。
かさで庇ってくれて。

コト

・・・・・。
ここは彼の胃の中なので時々濃度の高い胃酸が垂れてくるんです。
無防備に寝てたりしたら危ないですよ・・・。

煌炎

それでさっき大声で止めてきたのか。

コト

と、とにかく私のかさの下にいれば安全です。
定期的に胃酸を避けてれば暮らせなくもない・・・ごにょごにょ。

煌炎

は?
あんたここで暮らしてんの?

コト

う・・・・・、は、はい。
あっくんに頼んで暮らさせてもらってます。

煌炎

あっくん・・・?

コト

はい!!
あっくんは優しいんですよっ。
私は人が極度に怖いので怯えてたら、俺と暮らすかって飲み込んでくれたんです。

煌炎

・・・それって優しいのか・・・?
てかあっくんってもしかして、フン?

コト

フン・・・?

煌炎

・・・なんだっけな。
フンコロガシじゃなくて・・・、アッコロ―・・・ん?

コト

アッコロカムイのあっくんです。

煌炎

そうそう、そんな名前だったな。

そんな会話をしていると煌炎の腹の虫が勢いよく鳴る。

コト

・・・なにか食べます?

煌炎

え?

煌炎

おっ、芋団子じゃねーか。
いったいどこから・・・。

コト

・・・それはコロポックル内での秘密です。

煌炎

・・・とりあえず、お言葉に甘えて食わせてもらうわ。

煌炎

うっし、これなら動く気になった。
世話になったな。

コト

・・・へ?
も、もしかしてここから出るつもりですか?

煌炎

そうだけど。

コト

それは・・・あっくんにお願いしないと難しいと思いますよ?
・・・どうやって。

煌炎

たしかに剣は修理中だが、生憎俺には足がある。

コト

煌炎

こうやるのさ。

まるで悪役のような悪魔の笑みを浮かべると、煌炎は勢いよくアッコロカムイの腹の中を蹴り上げた。

コト

け、蹴りなさったぁあああああ!!!!??

コト

ななななんの音ですか!!!??

煌炎

わりぃ。
いったんあんたも外に吐き出させちまう形になってしまったな。

コト

ま、まさかこの音って・・・。

煌炎

ご名答。
ゲロがせりあがってくる音だ。

コト

いやああああああああああああああああああああ・・・・・!!!!!!!!!!!!

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