シーン3「体育」
懐かしいな…そういえばあの時が、ヤミ、ヲタ、マッチョ、先生との最初の出会いだったな…
おーーーーっす!呼んだか?フンッフンッ
おっ、マッチョか。お前はあの時から全然変わってねぇな
変わってないわけじゃないぞ!インナーマッスルは確実に進化を遂げている!!!
末恐ろしいな…。いやぁ、お前の筋肉には何度も生命を脅かされたよ。「あの」体育の時間、アレはヤバかったな…
俺の筋肉が躍動し、輝いた瞬間でもあったな…!!フンッ
やかましいわ!
シーン3「体育」
体育の授業か、ダリいなぁ…
ちゃんとやらないと、高校とはいえ留年するわよ
…(^^)b(親指を立てる)
「b」じゃねぇよ!まぁ、ダルいけど、やるか!先生まだきてねぇけどな!
こういうとこ、ほんとヤンキーのクセに真面目なのよね
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
何だ!?
タイイク!オレのミセバ!ミナギル!キンニク!フッ!フッ!
テンションが昂りすぎて「森を守るために覚醒したゴリラ」みたいになってる…
なんか、「森を守るために覚醒したゴリラ」みたいな雄叫びが聞こえてきたから来てみたが、マッチョだったか…
それより、先生、完全に遅刻ですよ!
すまん、寝坊した。ぶっちゃけ、もう既に早く家に帰りたい思いもあるが、今日の体育は野球をやる。みんな、まずキャッチボールを始めてくれ。俺は見てる。
(ツンツン)
おっ!じゃあアタシはヤミとキャッチボールしようかな
よっしゃ!じゃあ俺はヤンキーとだな!
なんか嫌な予感がする…!お手柔らかに頼むぞ!
いくぞ~!(シュッ)
(パシッ)……(ビシュッ)
いくぞっ!!!!!(バシュッ!!)
(バシッ!)うおっ!いてぇ!ちょい、おま、速すぎるんじゃねぇか!?(シュッ)
すまんすまん!やっぱりスポーツともなると、つい力が入っちまうんだ!フンッ!!(ドシュッ!!)
ウオオオオオオッ!手が、手があああああああああああああああああっ!!
軟弱ねぇ
いや違うわ!マッチョの球が馬鹿みたいにクソ速いんだよ!これ150㎞/hは出てるってマジで!
(~~~~~~)(ヲタに耳打ち)
ヤミだったら、こんなの楽勝で捕球できるって言ってるわよ
マジか!?…じゃあ、そんならキャッチャーやってみろよ!マッチョのピッチングスロー、受けてみろよ!!!
…………(スッ)
無言でヤンキーのポジションに生き、おもむろにキャッチャーポジションをとるヤミ。その雰囲気には、プロを思わせる何かが漲って(みなぎって)いた。
コイツ…強い…!
マッチョ、投げてみなさい。ヤンキーと違って、ヤミなら大丈夫よ
フンッフンッ!アップ、カンリョウ…!マッチョ、コンシンノイットウ、ジュンビバンタン…!
いやマジでなんか大量殺戮兵器感を帯びてきてるんだが、これ大丈夫か?
俺でも受けきれなかった球を、こんな…ヤミが受け止められるはずがない!
ウオオオオオオオオオ!(ビシュッ!!!!)
シュウウウウウウウウウウウウウウウウ…!
…………(b)
ス、ストライーーーック!!
び、微動だにしてねぇ…。余裕…だと…!?こんな…馬鹿な…
だから言ったでしょ、ヤミはヤンキーとは違うって
まぁ実力差ってやつはあるもんだからな。ヤンキー、凹むなって。
チクショー!なめやがって!俺だって…俺だって本気を出せばマッチョの球くらい余裕で捕れらぁ!!
よっしゃあ!!!こい!
イイノカ??イクゾ???(フシュー…)
(合掌)
(合掌)
(合掌)
ウオオオオオオオオオオオオ!!(ドシュッ!)
ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
ガ…ハ…(バタッ)
あー…やばいなコレ
おい!大丈夫かヤンキー!!
フンッフンッ!!!(フシュー)
(合掌)
(合掌)
ダメだ…息をしてない…
(合掌)
(合掌)
勝手に殺すなーーー!
ヤンキーの哀しい咆哮は異彩高校に響き渡ったという。
…いやマジであの時は全治半年かかったからな。奇跡的に息を吹き返したから良かったものの。
鍛えた果てにある罪…!筋肉とは罪深きものよ…
今更考えるとマッチョって普通にサイコパスだよな
………(コク)
いや、アンタらが言ってもあんまり説得力ないけどね!?