予定通り東京へ戻って。
その翌日からまた忙しない学生生活……
今日もまた生徒指導室に呼び出されていた俺を
親友の国枝あつしが待っていてくれた。
予定通り東京へ戻って。
その翌日からまた忙しない学生生活……
今日もまた生徒指導室に呼び出されていた俺を
親友の国枝あつしが待っていてくれた。
俺もあつしも一昨年喧嘩が原因で停学を喰らい、
もう1回3学年の勉学を深めている。
(要するに留年した)
多分、来年は卒業出来るだろうけど……
ファイナルアンサーは夏休み明けにある特別追試験の
結果次第だ。
―― 東っちの話し何だった?
この前の呼び出しで志望校のレベル落とせって言われたから、てきとーにBランクの中から選んだら適当過ぎるって怒られた
俺の言葉にあつしは大笑いした。
けど、大事な虎の子のつぎ込んで進学したって、大学で特にやりたい事なんてないもんなぁ~
すると、通りがかりのクラスメイトが
『サークル! 可愛い娘ちゃんと合コン!』
『18才の青春存分に謳歌しようぜツナちゃん』
と、言いながら通り過ぎて行った。
おぉ ――そういえば! 松浪のじっちゃんの手伝い予定は?
例年通り夏休みも年末年始も余分な休みはなし
やっぱりか。今年こそはカウントダウン行けると思ってたのにぃ……
テキ屋・露天商は年末年始こそが一番の
かきいれどきなんだ。
けど、そうゆう甘い誘いにはちょっとは……
いや、大いに気になる。
……そころで、誰と?
俺と、詩音と ―― まだ未定
詩音とはあつしが今交際中の彼女。
うちらと同じ学区内にあるバリバリのお嬢様学校、
星蘭女学館へ通っている1年生。
実はあつし、海産物とバター・生クリーム・チーズ・
生ハム等の加工食品を中心に取り扱う老舗専門商社
『相模屋』の御曹司。
相模屋グル-プはディズニーランドの
メインオフィシャルスポンサーなので
毎年カウントダウンのチケットが株主優先特典で
手に入る。
―― が
何が楽しくて恋人達満載のデートスポットに
独り身の俺が行かねばならないのだ!
と、言っても、年末年始は超忙しいし。
じゃあ、もし、お祖父ちゃんがオッケーしてくれて、
あつしと誰も行く奴が居なかったら行ってやっても良いよ
うわぁぁぁ上から目線!
わざとらしく怒るあつしに笑いながら、
立ち上がる。
じゃ、俺は今から相模屋食品の売上を伸ばしに行って来るっす
よろしく! 仕事頑張ってぇな
笑いながらあつしと別れて外へと向かった。
クリスマス……恋人……
欲しいのは欲しいが、
デートをする時間も金も無い!
大学に入るまでそっちはお預けかなぁ……
働け! 勤労青年!
俺は気合を入れて走り出した。