ミオの身代わりの時は華やかなスポットライトの中心に
立って、社交的な微笑みを振りまくけれど。

それ以外の時の俺はごくごく一般的な17才男子で。

ミオの所属する芸能事務所で事務補助のバイトを
しながら古今珍しくなった定時制の高校に通っている。

あつし

―― まぁーた断ったんだって? 全額給付奨学金入学のお誘い

”失礼しましたぁ”と、教職員室から出て来た俺に、
大親友の国枝あつしが話しかけて来た。  

  

うん、すっぱり断った

俺の言葉にあつしは呆れたように笑った。

あつし

ってねぇ、あっさりと言ってるけどこの世知辛いご時世に大学の方から入学招致してくれるなんてそうザラにはないんだぞー。分かってんのかね~この子は……じゃ、卒業後はやっぱり就職か?

うん。早いとこ親からちゃんと独立したいし

あつし

だから、うちの親父の申し出受けちゃえって言ってるのに

今まで色々助けて貰っただけでも十分だよ

あつし

ったく、お前って、そーゆうとこはガキの頃からちーっとも変わっとらんね

へへへ、性分だから

あつし

東っちも嘆いてたよー、ホントにもったいないって

―― そーお? 試験なんて真面目に授業受けてさえ
いれば楽勝だと思うけど?

あつし

……それ、嫌味?

歯をわざとらしく食いしばりながら言うあつしに笑う。

うんにゃ、経験者

あつし

ひゃぁぁ~~っ、何気に悔しい……

正門を抜けたところで立ち止まる。

あつし

じゃ、仕事頑張ってなぁ~

おぅ、ありがとー

笑いながらあつしと別れて、バイト先の
覇王・本社に向かう。 

小鳥遊 洵としての平穏な日常

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