マギアフィラフト
~兆章~

 ――地下迷宮三階層。

ジュピター

ナイス、ハル。

ハル

ドンピシャっすね。

 今、戦闘が終わったところで、連携攻撃していたハルとジュピターがハイタッチをしていた。

ロココ

本当に息ぴったりですね。

アデル

本当に。
声に出さなくても伝わる何かが
あるのでしょうか?

ユフィ

最近は特に仲良いわよね。
まぁ、ずっと自主練とか
してるからじゃない?

ダナン

何にせよ同じ前衛として
二人とも強くなってるのは
助かるぜ。

 ハルとジュピターのコンビは、最近特に息があっている。普段から仲がいいのもあるが、それ以上の何かを思わすほど、呼吸が合っていた。

アデル

この場所で三階層は全部
行った事になりますね。

ロココ

強い魔気を感じます。

ダナン

ぱっぱと片付けて
戻るとするか。

ジュピター

了解~。

ハル

了~解~♪

ユフィ

油断は禁物よ。
強敵が居た場合は、
雑魚から殲滅。
いくわよ。

スケルトンウォーリアー

スケルトンナイト

スケルトンランサー

スケルトンキング

ロココ

わわ、多い。

ユフィ

あれはきっと
スケルトンキング!
都合良く後方だから
なるべく早く雑魚共を殲滅!

 数の多いスケルトンウォーリアーとスケルトンナイトは、一手にハルとジュピターが引き受ける。それよりも強いスケルトンランサーはダナンが相対した。

 次々と雑魚を倒すジュピターとハル。多数の相手に戦い慣れている様子で、お互いの背中を守りながら、且つ、臨機応変に敵の数を減らしていく。あっと驚く間に、相手にしていた敵を殲滅した。

 ダナンの鉄棍は、スケルトンランサーを盾ごと押し潰し圧倒する。三階層では強い敵に類するが楽勝と言えるものだった。

ダナン

あと一体。

ユフィ

初見の強敵よ。
絶対に油断しては駄目!

ジュピター

わかってるって。

 ゆっくりと歩を進めるスケルトンキング。先頭を行くのはダナンで、ハルとジュピターが左右から挟み込む。

ダナン

スゲェ振りだ。
あれはやべぇぞ。

ジュピター

旦那、
出来ればあの剣の動きを
止めてくれ!

 振り上げたスケルトンキングの剣は、そのまま振り下ろされる。ダナンは間一髪のところで躱し、振り下ろされた剣を地面に打ち付けた。そしてそれを抑え込み大きな隙を作る事に成功した。

ハル

ナイスっす旦那ぁー!

ジュピター

一気に行くぞ!

ユフィ

援護するわ!

ジュピター

ぐぁっ!!

ユフィ

くっ……

ダナン

ちくしょーがぁ……

ハル

な、何すか!?
今のは?

 スケルトンキングのマントの中から、何本もの鋭い骨が四方に発射されていたのだ。近くに居た四人はダメージを受け攻撃の手が止まる。特にジュピターのダメージが重い状態だ。


 そして次の瞬間、スケルトンキングはジュピターの頭上に剣を振り上げていた。

 ~兆章~     80、剣士二人

facebook twitter
pagetop