松尾 久道

ちっ………!!

…………っ!!

うっ………!!

松尾 久道

ふん……左手を潰しておいてもここまでやれるとは……つくづく鬼というのは

貴方にはきっと分からない……妬みや憎悪だけで生きてきた人には

松尾 久道

なんだと?

私達は貴方達人間に何の怒りも憎しみも抱いてはいなかった。ただ平穏な日常を取り戻したかっただけ。この山で狸たちと駆けっこしたり覚様の傍で色々な話を聞いたりする……そんななんでもない日常をもう一度感じたかった

貴方達がこの戦に何を賭けてるのかは分かりません……でも、私達の求めていたものは…………ううん

松尾 久道

ぐおっ………!?

私達はただ、生きたかったんです。この刀の先に待つ平和な未来を!

松尾 久道

小癪な……この日ノ本は我ら人間が統べて来た国。獣ならいざ知らず妖怪など……生きる場所など元よりない!!

松尾 久道

どれだけ夢物語を並べようと、貴様らがこの国で生きる資格などありはしないのだ!!

それでも、私達は生きるんです! 生きる資格なんて誰かに決められるものじゃない!!

松尾 久道

ほざくな――――!!!!

――――っ!!!!

松尾 久道

がああああああっ…………!!

あああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!

はあっ……はあっ……!!

はあっ……いかないと…………

いっしょに逃げるんだ……今度こそずっといっしょに――――

まっててね、やな――――

うっ……くっ………

くそっ…………このままじゃ………

……見つけた

えっ――――

真狸

――――ッ!!!!

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