2025年4月14日(月)
09:33 AM





























































どこをどう通ったのだろうか。










































































少女はただひたすらに走った。





























































突きつけられた現実から逃げんがために。



























いつの間にか少女は海に出ていた。


















ニュー神代港……か……。




旧神代港を封ずるかのごとく


クシナダコーポレーションにより


埋め立てられてできた


ウォーターフロント区。


その9割が埋立地だ。




そこへ新たに開港したのが


このニュー神代港。





海路の管理を


実質クシナダに奪われた形だ。




そこには


近代的な工場やドックが


整然と立ち並ぶ。


海の趣もあったもんじゃないな……。






癒やしを求めて来たわけではなかったが


目の前に広がる作り物の海岸に


少女は辟易していた。






波の音を聞きながら


少女は防波堤の仕切り寄りかかる。

……。

……何が誰も巻き込まない、だ。

巻き込みまくりじゃねーか。

あまつさえ、アタシのせいで先生の生命まで奪うことになるなんて……。

アタシはもう……。

大ちゃんを探しちゃ
ダメなのかなぁ……?


少女はやるせない気持ちに抗えず


手すりの上で組んだ腕の中に顔を伏せた。







もう……
潮時かなぁ……。






そして、


諦めなければならない時が来たのだと、


自分に言い聞かせようとしていた。




あら?




その時、通りかかった中年女性が


少女に声をかけた。

ねぇ、あなたこんなところで……
大丈夫?

アタシは大丈夫ですから……
放っておいて下さい。



少女は涙をこらえつつ


顔を上げて


中年女性にそう伝えた。

あら、あなた……。

もしかして、茜ちゃん?

……え?





少女の記憶にこそなかったが、


その女性は少女の事を知るようだった。















別れの決意

つづく

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