フンフフフ~ン♪♪♪
ん?
郵便かな?
「ハイト-! お客さんよー!!」
ママの声だ!
ん?
僕にお客さん???
失礼致します
ハイト様……
!?
ど、どちら様でしょうか?
私、『ネノコの使い』と申します
ネノコの使いさん?
はい
以前、ハイト様が勝負なされた『ナカネノコ』の忠実な下部でございます
あー
あの自称創作家の……?
はい、全くその通りでございます
で、その人が僕に何の用ですか?
ええ、実はナカネノコからハイト様にご紹介したい人がいるようで、その方をお連れ致しました
僕に紹介したい人?
入りなさい!
無印くん
……
こ、こんにちは
……
しゃべれよ!!!
申し訳ありませんハイト様
実はこの無印くんには話せない事情があるのです
話せない事情って……?
まず彼は
五十音を『あ』から『ん』まで順番にしか言えません
は……はい?
そういう体質なのです
え、じゃあ『ん』まで言った後は?
死にます
何だって!?
そういう体質なのです
大事な事なので……
じゃあ全く言葉が話せないんですね?
そういうことです
ですが、さすがに終始無口というのも面白くないですね
何かしゃべってみなさい無印くん?
やめてあげて!
面白くないからって無印くんが命を張る必要はないよ!!!
…………よ!
死にかけじゃねえか!!!!!
しかもちょっと笑ってんじゃねえよ!
彼は現在
ナカネノコが創作中の『新作物語』で主人公を務めることになってます
いやいや
その前にここで死ぬって!!!!!
てかどう考えても扱いにくいでしょこのキャラクター!!!!!
『ん』まで言ったら死ぬって何!?
もしかして短編なの!?
……ら?
もうやめて!!!!
やめたげてよお!
無印くん
これ以上はやめなさい?
…………りる
…………はい
みたいなノリで言うな!
命かかってることをこの子は分かっているんです!?
ハイト様も落ち着いてください
そうです今回はその『扱いづらい』という件でお邪魔したんです
そ、それはどういう意味で?
ナカネノコが新作を創作する上で、どうしてもこの主人公の扱いづらさが難点となっているようです
そこで設定的にどうしたらいいかを、ハイト様にご意見頂戴したいとのことで私が伺わさせていただきました
なるほどー
でもなんでそんな設定にしたんですかね
どうやら
主人公にインパクトを持たせたかったようですね
それ逆効果な気がしますが……
全くその通りでございます
ですが、それ以上の付加価値がこの無印くんにあれば、その設定をなかったことにしてくれるようです
本当ですか!?
絶対にない方がいいですって!
……れ!!!
ちょっと黙れよ!!
ハイト様、どうでしょう?
二人で主人公の設定を考えて、この無印くんを救いましょう!
ぼ、僕とネノコの使いさんで?
ええ
物語はやはり『五十音』をキーワードにしたいと聞いております
だ、だからってそれをそのまま主人公の体質にするなよ……
分かりました
一緒に考えましょうか!
自分もハイトの挑戦が沢山の方に観ていただいて、気分上がってますしね
……ろわゐう!
……よろしく!
じゃねえよ!!!
来訪者②へ続く……