チャーリー

ハッハッハッ……。

ゆーま

……チャーリー? くすぐったいよ。

チャーリー

……オ目覚メデスカ? オ姫サマ。

ゆーま

え? ……あ。うん。

ユイガ博士

おお、気づきよったか、よかった!

初めて会った時と同じように、博士はあたしの体を抱きしめる。

その抱擁はあたしの体を気遣ったものだが、あたし自身に向けられたものではないことにちょっとさびしい気がした。

ゆーま

それで、実験の結果は……?

ユイガ博士

お? ああ、そうじゃった。一応
成功はした。したんじゃが……。

チャーリー

姫サマ。元ノ体ヲ
強クイメージシテミテクダサイ。

ゆーま

えっと、こうかな?

イナバイナハ

……。

ユイガ博士

おお、変換しよった。じゃが……。

イナバイナハ

あれ……? 体がうごかない……?
意識はあるのに……。

チャーリー

脳波ハ正常ナ眠リヲ示シテイマスガ、 補完サレタ部位ハ覚醒シテイマスネ。 姫サマ、元ニ戻レマスカ?

イナバイナハ

えっと、こうかな。

ゆーま

はい。もどったよ。

チャーリー

コチラハ完全ナ姫サマデスネ。

ユイガ博士

ううむ、これは……。

チャーリー

フタリノ人間ガ、ヒトツノ体ヲ
共有シテイルトイウコトデショウカ?

ユイガ博士

いやむしろ、ひとりの人間がふたつの体に分離した状態じゃな。なんとも形容しがたい状態だが、こんなことになるとは正直予想外じゃった。……すまん。

ゆーま

……。

チャーリー

ナルホド。今ノアナタト姫サマハ理想的ナ共生関係ニアルトイエマス。人間ニ 例エルナラバ胎児ト母親ノ関係ニ近イ。

ゆーま

!!

ユイガ博士

チャーリー、なにを!?

チャーリー

胎児ハ母親ニ守ラレナガラ栄養ヲ貰イ、健ヤカニ育ツ。母親ハ子供ノ成長ヲ
スグ傍デ見守リ続ケル。姫サマノ保護ガ無クナレバアナタハ亡クナリマスカラ。

ゆーま

チャーリー、あなた……。

チャーリー

ハイ。ナンデショウカ。

ゆーま

ね、今のあたしに、子供は作れるの?

チャーリー

姫サマニハ不可能デスガ、
アナタニナラ可能デスヨ。

ゆーま

そっか。……まいったな、この歳でもうこんなに大きな子供出来ちゃうなんて。

ユイガ博士

……。

ゆーま

博士、ありがとう。
それからチャーリーも。

チャーリー

イイエ、ドウイタシマシテ。トコロデ 姫サマ、一ツオ願イガアルノデスガ。

ゆーま

え、なに?

チャーリー

デキレバ一人称ハ「ボク」ニシテモラエマセンカ。ソノホウガ博士モ喜ビマス。

ユイガ博士

こらこら、なにを言っとるか!?

ゆーま

ふふっ、わかったよ。
ボクがんばってみる!

チャーリー

ハイ。ヨロシクオ願イシマス。

pagetop