一般演習の授業で生徒たちがそれぞれ実習を行うのを見回っていた篠原先生が緋瀬の前に来て言った。
篠原先生に指導を受けた緋瀬は、形を結ぶことに失敗して霧散していく光の粒子を哀しげに見ながら、はい、とだけ返した。
緋瀬はその体質も相まって座学に関しては非常に優秀であるのだが、特に最近になって、生成が途中で中断してしまったり、MEが粒子形のままイメージ通りの形を取らずに散り散りになってしまったりと実際にMEによって何かを生成するということについてはあまり成績が芳しくないようにオレには見えていた。
かくいうオレは座学も演習も得意ではないので他人のことをとやかく言う権利など持ち合わせてはいないのだが、そんなオレもさすがに気づくという程度で「最近」の緋瀬は調子が悪いのだ。