はてな、という顔の奏に、蓮蛇はシュルシュルと舌を鳴らしてから続けた。
やあ、奏さん。
あ、蓮蛇さん。
こんにちは。
ここの所少し重い話が続いてしまったから、今日は気軽な話をしようと思うんだ。
気軽な話、ですか?
はてな、という顔の奏に、蓮蛇はシュルシュルと舌を鳴らしてから続けた。
私も現代について少し勉強したのだよ。
現代についてですか。
何を勉強したんですか?
学校の勉強とか?
それで私に教えてくれるとか。
ああ、それはいいね。
でも今日はそういうことではなくて。
ポンDEリングというものがあるらしいね。
ポン……ああー、ありますね。
随分ともちもちしているという話なんだけれどね。
その……。
なんだか言いにくそうですね。
もしかしてまた重い話になってしまうのでは。
奏が内心そんな心配をしている中。
蓮蛇は重みのある声で続ける。
もちもちしてるって……餅なのかい?
餅のもちなのかな。
食べるとぺたぺたしてるのか。
もちもちしているという感じが解らなくて。
あぁー。
その姿じゃ買えませんよね。
そもそもをいうと私はお金をもっていないのだけどね。
え?
お賽銭とかないんですか?
ははは、神社のお賽銭は神社の者だよ。
神の使いは無一文さ。
えぇー。
それで前世の私とどんな風に生活してたんですか?
ゆかりのある神社で居候、みたいな?
それで神様との繋ぎを多めにするとか配慮するんだ。
……割とダメ人間な感じですね。
人間じゃないしね。
それはそうなんだけど……まあ仕方ないっていうか。
蓮蛇さんなりのお仕事してるからいいのかなぁ。
でもはたから見ると無職だよね、と厳しい突っ込みをしつつ奏は蓮蛇との話を続けたのだった。