首無しの亡者・ブロンクスにジュピターが切りかかる。
動きは遅そうだな。
先に仕掛けるぞ。
首無しの亡者・ブロンクスにジュピターが切りかかる。
す……、す、凄い!!
ブロンクスの左肩から右腰にかけて、お手本のような袈裟切り。深々と切り裂かれたブロンクスの胸部から、灰色の体液がドロリと噴き出した。
お、一撃?
意外に弱っちいのか?
オイラが強すぎるかも。
ジュピターって
やっぱり強いっす。
ぐらりと揺れたブロンクスに構えながらも、前衛三人は言葉を交わす。
ブロンクスがそのまま後ろに倒れると思った時、無茶苦茶な体勢でダナンに大剣を振り回してきた。
ぐぅっ!!
両手に持つ大型のハンマーで大剣を受け、後方に飛ばされるダナン。六人の中で一番体格も良く、体力・重量があるダナンが簡単に吹き飛ぶパワー。全員が表情を強ばらした時には、次の攻撃がハルを襲っていた。
受けられるっす!!
避けなさい!!
間一髪、ユフィの声を聞き身体を捻ったハルは、大剣の軌道から外れ、足をもつれさせその場に倒れる。大剣は岩壁に当たり、深く岩壁をえぐり、撒き散らせた。
あんなの受けてたら
鬼義理まるごと
首が飛んでたっすよ……
身のすくむ思い。体感しているのは紛れもない殺し合い。
シュッ!!
背後からの三連撃は全部直撃。それでもジュピターは踏み込んでとどめを刺そうとする。
ぐげっ!
傷を負いながらも止まらないブロンクスは、大剣を振り回す。踏み込んでいたジュピターは、ブロンクスの腕と衝突し弾き飛ばされる。
ブロンクスの腕に絡みついたのは、ユフィの鞭だった。
立て直して!
止めるっす!
ハルが鬼義理を前方に構え、ブロンクスに相対する。
一人は駄目!
戻りなさ、キャッ!!
ブロンクスの腕を制していた鞭が、力づくで引きあげられる。鞭はブロンクスの腕に絡まったまま、ユフィの手から離れた。
あと一撃っす!
ユフィの制止を振り切り、ハルは単身、ブロンクスに斬りかかった。