2025年4月14日(月)
7:50 AM













































行ってまいります。

神田夫人

……あの、茜さん。

どうかしましたか?

神田夫人

……ううん。

神田夫人

なんでもないわ。

神田夫人

気をつけて行ってらっしゃい。

はい。





















ここまでくれば母屋からは見えないな。











最近、感覚が麻痺していたからな……。
少し気を引き締めていこう。
























名簿の原本は本物と罠の両方を
視野に入れておこう。

虎穴に入らずんば、と言うからな。
どちらにしろ罠に飛び込む覚悟は
必要だろう。























けど、原本自体が罠であった方がいい。

あれが本物であった場合の方が
腑に落ちなさすぎる。

大林の言う忘れ物の可能性は
0ではないが、極めて低い。

……ならばどういうことか?

……。

わからん!

肝田

ビクゥ!!!

肝田

ヒィィィ、ご、ごめんなさいー。

うわっ、やっべー。
思わず声が出ちまった。

安心しろ。
オマエのことじゃねーよ、肝田。

肝田

え?あ……そうなの?

そそくさっ……







肝田

……。

肝田

アイツ、誰だっけ?
肝田帝国の名簿には
いなかったよな……。
違う学校かな?





















一つの可能性として
考えられるのは、
アタシの目的をあぶり出す事。

アタシがくすのき園を
嗅ぎ回っている理由までは
クシナダは知らないはずだからな。

だが、そう考えた場合、
出来損ないのアンドロイドの行動は
ありえない。

敵の手に落ちることがあるなら、
死を選ぶのがクシナダの掟。
アタシが自決する可能性がある以上、こちらの手の内が見えていない時に取る行動じゃぁない。

まぁ、クシナダの統制が取れていないもあるが、大方アンドロイド以外のヤツがまだいたと考えるのが妥当か……

だた、それにしてはツメが甘すぎるんだよなぁ……。

露江

キュピーン!

露江

朝からイケメン発見!

露江

ねぇー!

な……なんだ!?

やべぇ……
鏡野じゃねーか。
肝田といい、なんでコイツラ
絡んでくるんだ?

露江

君どこの学校なの?

あ?殴られてぇのか?

露江

いやーん、ハスキーボイス素敵ィ!

なんで、そーなんだよ。

鬱陶しい!
あっち行け!

露江

決めた!

ちょ……。

露江

私、今日はアナタと
一緒の学校に行くゥ!

こいつの頭は
どういう思考になってんだ?

ん?






















八重桜子

ゆ……ユエ……。

露江

げっ……ヤエ……。

八重桜子

どいうこと、ユエ?
その人は誰?

露江

あー……いや―……その……。

八重桜子

ついこの前、愛を誓ったばかりだというのに……。

露江

た、ただの通りすがりの
ニーチャンだよ!

八重桜子

正直に答えて、
ユエ。

露江

ま、マジだって!
名前も知らないっツーの!

八重桜子

名前も知らないような人と
あろうことか
手をお繋ぎになられて……。

露江

あー……そのー……、
これは成り行きと言うか
なんというか……
趣味というか……。

八重桜子

私との三日三晩は
遊びだったのね!?

八重桜子

ウワァァァァン!

露江

な……泣くなよ、ヤエ。
アタシが悪かったって……。




























ふぅ、危ない危ない。
盛り上がっている間に
逃げ出せたぜ。

ここまで来たら、あそこの死角で……。

……よし、と。

優一

あー!住吉さん、おはよー!

ドキッ!

み……見られてないよな?
変装を解いたところ。

優一

この週末は色々大変だったねー!

ギロッ!

優一

ヒッ!

他!言!無!用!

優一

ご、ごめんなさい……。

優一

でも、クラスメートのみんな知ってるよなぁ……。

なんかぁ言ったぁ?

優一

なにも!
うんとも!
すんとも!


















優一

住吉さんと、もっと長い間
一緒に歩けたら良かったなぁ……。

ツーン。

優一

あれ、でもなんであそこまで
前に住吉さんがいるのに
気づかなかったんだろう?

ギクッ!

あー……
それはアタシが
トレーニングで……
一度校門からあそこまで戻って
ダッシュしようとしてたんだ……。

って、なんでマナビヤみたいな
言い訳してんだ、アタシは!
インパクトありすぎだ、アイツ!

優一

あ、ごめん。
僕、邪魔しちゃったんだね。

学人

お!住吉もトレーニングに目覚めたのか?

出た―!

優一

おはよー、マナビヤ君。

優一

って、どこ行くの?
そっちは学校と反対だよ。

懲りずにトレーニングでもするんだろ。

学人

それはもちろんトレーニング……

ほらきた。

学人

……と言いたいところだが……。

学人

学校がこの様子じゃなぁ……。

え?

優一

学校がどうかしたの?









学人

立入禁止なんじゃ。

優一

うわー!規制線だー!
本物始めて見た―!

いったい、何が……。





































掛け違えたボタン

つづく

第22話 掛け違えたボタン

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