誘拐騒動 その2

ククリ

こんな感じの子を見なかった?

うーん、ちょっとわかんないですね。いい感じの熟女なら全く見逃さんのですが。

ククリ

好みの話か! あんたの!

スネイク

ククリ! こっちだ!

怪しい人ぉおお?? 僕、よくわからなぁぁい。

スネイク

な・あ・んでも・いいんだぁ 何か覚えてねえええかなああ?

わ・か・ん・なぁぁあ~~い。

スネイク

そ・ん・な・あああああ~

ククリ

ええい、まどろっこしい。

ゆうくん、昨日見たって言ってたじゃない。

そうだっけ。……あっ

僕、変なおじさんを見たよ。でっかいお髭でね。馬車に乗って、お姉さんを縛って荷台に乗せてたの。

でね、でね。あっちのお屋敷の方に向かっていったんだよ。えーと、誰のお屋敷だっけ。

マーマスさん。

うん、それー

ククリ

もろに目撃されとる……

スネイク

よっしゃ行くぜ そいつらの足跡を追いに!

ぐぐぐぐ……ぐはっ

リチャード

まだ、やるか?

くそったれがっ 何なんだ貴様ら……

アルマド

さあ、おとなしくその儀式のことを話してください。

アルマド

そうすれば、傷を癒やしてあげますよ。

リチャード

お前そんなことできたのか。 便利だな魔術……

アルマド

まあできないんですけどね。

じゃあ なんで言ったんだ……

リチャード

お前がマーマス家の怪しげな儀式に参加してるってのは調べがついてる。

それがどうした? 貴様には関係なかろう。我らの神聖な活動に、横槍は入れさせんぞ。

壁面に打ち付けられる拳。したたる男の冷や汗。

リチャード

関係ない? おおあり、だ。

リチャード

年頃の娘を生贄にし、くだらん儀式を実現しようとしているな?

リチャード

儀式で勝手に馬鹿騒ぎするのは一向に構わんが、クライアントにちょっかいを掛けられてはたまらん。返してもらうぞ。

生贄? な、なんの話だ。そんなものは……

アルマド

リチャード

さあ、おとなしく――うわっ

リチャード

ぐっ砂か……!? 目をやられた……!

あばよっ

アルマド

大丈夫ですか!

リチャード

俺はいいから、さっさと後を追え! それか魔術で足止めを……!

リチャード

ぐっ! 足音が遠ざかって……なにしてるアルマド!

アルマド

こんな狭い路地裏じゃ魔術は難しいですよ……建物を壊してしまう。

アルマド

大丈夫ですよ。ああいう輩は泳がせておいたほうがいいんです。

アルマド

それに――ファミリアにあとをつけさせました。

リチャード

なんだ、それを先に言え……!

はあ、はあ、撒いた……! なんだったんだあいつらは。

頭領に連絡しとかないとな……

ポッポッポ

うわっ鳥! なんだこいつ!?

ついてくんなよ。あばよっ

ポポポッポッ

スネイク

おっ あれがマーマスの屋敷ってやつか!

スネイク

よっしゃ玄関だぜ! 突撃ーー!

ククリ

間抜け! バカ正直に表から行くやつがあるか!

スネイク

俺は、俺は、何者にも縛られん!

ククリ

ああもう――――せやっ!

スネイク

きゅう

続く

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