ガラから離れろ！！

うわっ！

なにしやがる！

親友のガラになんてことをする！
誰なんだ、オマエは！

誰……？
俺はドール・ラムディッシュ……。

なぁんてね。

うっ……しまった、
体がしびれて動けない。

一体、何がどうなって……。

もう少しでコイツの記憶をすり替えられたのに、本物が来ちまうとはな。

フンッ。

ああ！
アイツ、ラムディッシュじゃない！

く……くそっ

夢の世界で記憶をすり替えて
現実を操作なんて七面倒臭い！

ここで始末をしてしまえば
いいだけのことだ！

エペ・ド・フラム

アイツの注意が
ラムディッシュさんに
向いてる……。

や、やめろ……

アンタらにゃ死んでもらう……。

ここだ！

イサム・ストラッシュ(Lv18)！

ぎゃぁぁぁぁ！！！

やったか、勇者様！

勇者様、これはいったい？

どうなってる？
まだ動けねぇや……。

くっ……
う……動けない。

不用心だねぇ、勇者勇。

……ま…まさか……。

消したはずのこの娘の記憶にまだ支配されてるなんてねぇ。

消した……記憶だって……？

『イッヒッヒ、そうさ。
罠だよ。』

勇者勇をアタシの世界に
引き込むためのな。

アイツが……
アイツが本当の悪夢の主かッ！

オマエは、一年前のあの時の！

あぁ、忌避の盾を奪ったのも、
このアタシ。

夢魔が忌避の盾を奪った犯人！？

冥土の土産に教えてやる。
アタシは『夢渡のボアン』。
魔王さまより遣わされた夢魔さぁ。

夢魔は夢の世界の王……。
俺の命を狙うのに
なぜこんな回りくどい事を？

命？

冗談じゃない！
命を狙うのなんて
危険なマネは、
アタシの役目じゃないのさ。

どういう事だ……。

アタシに与えられた
本当の役目は
勇者一行の記憶を
差し替える事……。

魔王さまの動きやすい
世界を現実に用意することさ。

じゃが……
フフフフ……。

なに笑ってやがる！

いやはや、なかなかどうして。
勇者があまりに頓馬だから、
欲目がでちまってねぇ……。

アタシにも危険を冒さず
簡単に消せるんじゃないか……てね。

クッ……

案の定、
あの娘の記憶を奪った勇者は
実に脆弱さぁ。

あの娘の記憶……？

そうだ、さっきのあの子は……
たしか俺の……妻……
名前は……名前は……。

そして……

今のアタシには
魔王さまの力も使える、
この水晶がある。

つまり、勇者勇は
魔王さまの所に
辿り着くどころか、
今この場でアタシに
殺されてしまうのさ！

さて、おしゃべりは
ここまでにしようかね。

魔王さまに仇なす勇者よ……

くそっ……。
あの子の名前が思い出せない……。

勇くん……

！！！

思い出した……
思い出したぞ…！！

くたばれ

し……
シーラァァァ！！！

ミ・ナ・オ・レ・ノ……

やばい！

な……なんだ、この蔓は！？
す、水晶が……。

ひいいい、
魔王さまからお借りした
水晶がァァァ！！

金縛りがとけた！

勇くん！
今よ！

シーラ！

体が動ければこちらのものだ！

叩き起こし剣技……

早朝覚醒
《ウェイクアップモーニング》
(Lv18)！！

ぎゃぁぁぁ！

くそぅ……。
あと少しで、
完全に分断できたというのに……。

ガクッ

やったぞ、勇者様！

安心せい、みねうちじゃ。

Lvが上がった！

Lvが上がった！

Nennen collorio...
O'collorio...

ハッ！

邪気が……消えた。

どうやら、無事倒せたようね。