うわ！

お、なにかと思ったら転校生の攻撃か。

そんなに息を切らしてどうしたんだ？

はー、はー、いや……。

隠さずともわかっておる。
おおかたオリンピック短距離走の
真っ最中といったところか？

はー、はー、ふぇ……？

よし、いっちょ俺ともやるか？

はー、違うんだ……。
はー、マナビヤくん……。
はー、もう無理、走れない……。

なんだ、だらしないのう。

ところで、みんなは？

ああ、彼奴らならこぞって厠だ。

おっと、噂をすればなんとやら。
戻ってきたぞ。

Oh,Sit!
まさかトイレまで差をつけられてるとは。

あら、鏡野さんもその気になれば
すぐにこちら側の人間になれますわよ？

あーん？

なんだ、ヤエ。
乗り気じゃねーか。

あら、私ったらはしたない……。

そういえば、肝田はどこいった？

あの……ずっとここに

あー！
存在感が薄くて、
いるのかどうかわからなかったよ。

ぶふぃー

ところで、転校生。
相方はどうした？

あ……あの……その……
そのことなんだけど……。

Ooops.
なんだか、歯切れが悪いな。

その……添田さんが……
はだ…はだ…はだ……
はだかになってて……

裸ですって！？

お！お前らそういう
所構わずな趣味があるのか！

は……はだ…

ぼく、思わず逃げてきちゃって……。

なぁんだ、女のほうが積極的なだけか。

で、ちょっと女の子たちに
来てほしくて……

ちょっと待て、
何人になるんだよ？
アタシもその人数は初めてだぞ。

……。

バッカモーーン！

ひっ！

なあ、転校生。

な、なに？
マナビヤ君

キサマはおなごがその柔肌を
自ら男にさらけ出すという事が、
どういう事かわからんのか！？

え！？

あのおなごが、
一体どれだけの勇気を
振り絞ったのか……。

キサマは考えたことがあるのかァァァ！！！

ハッ！

……うん。
そうだね！マナビヤ君！
今すぐ添田さんのところに戻るよ！

待ってて！
す……添田さん！

うむ、それでいいんじゃ。

男に女が挑む、
前代未聞の異種格闘技戦……。
存分に力を出し合ってこい！

よーし、後学の為にヤエもアタシと一緒に覗きに行こうぜ！

え！？ちょ……

乳台も来い！

ち……乳…

ふむ、俺も結果が気になるから後を追うか。

すみ……添田さん！

ああ！

なんてことだ……。
ひ、ひどい怪我……。

どうしたのですか？
大声を上げて……。

！！！

Oh,ブラボー！
随分と激しいんだな！

ほほう、転校生の勝ち、か。

……。

！？

締め出された！

なんのマネだ、伊集院。
俺たちを締め出しおって。

大林さん。

え？

あなたも今すぐここを出なさい。

ひえぇ！

やるな、伊集院。

殿方はこの部屋に入ることを禁じます。

え……。

今からこの方、
添田さんを
伊集院家へ
搬送します。
容態が心配なら
あとから来るように。

鏡野さんも手伝ってくださる？
外の殿方達は
乙女の一糸まとわぬ姿の
ぞんざいに扱いすぎです。

しゃーねーな。
ヤエの頼みだ。

ありがとう、ユエ。

お、おう。
No problem.

突然の下の名前呼びって、ズルい！

では、この方の衣服を持ってくださる？

衣服って……あれか。

搬送って？

何か聞こえるぞ？

……外からだ。

見ろ！

お待たせいたしました。
八重桜子さま。

VTOL機！？

自家用ジェットですわ。

ま、まじかよヤエ……。

それでは、後ほど逢いましょう。

ふん、後から追いついてこい、とな？

面白い！
相手にとって
不足はない！

何言ってるの？マナビヤくん！

行くぜ！

ぎゃーす！！
そんな力強く担いだら苦しい！！

ひえぇぇ！！
僕らを担いでどうするの！？

知れたことよ。

音速で走るのさッ！

ひよぇぇぇ！！

きゃぁぁぁ！！

む？

はい。

……ツキヒハハクタイノカカクニシテ。

ユキカウトシモマタタビビトナリ。

……こちらブラボーフェスティバル。
グラビティミスト、聞きたいことがある。

なんだ？

なぜヒルトンイーグルを寄越した？

オマエのところへ
寄越したつもりはない。
くすのき園での情報収集に
宛てただけだ。

そうか……なら結果だけ伝える。
作戦は台無しだ。
ヒルトンイーグルは消した。

構わん。所詮『ハラチガイ』だ。

もう一つ。『ユダ』がいる。
ヴァニラキャンディとの関係は不明だ。

『ユダ』？

どういう事だ、ブラ……

プッ！

……あ？

ツー、ツー、ツー……

クソがぁ！！

また話の途中で
切りやがった！
重要な情報は
最後まで伝えやがれってんだ！

……ったく。

sim、simっと。