ラドは卵の形をした昇降機を用いて城の三二五階に向かった。
お気づきかもしれないが、ラドが住んでいるこの城は地上三〇〇〇階、地下八九五六階まである壮観なものである。
但し、今述べた階数はあくまで推定のもので、精密な数値は分からない。というより、当てにならない。
何故なら、日夜問わずラド達戦工による改修と増築が行われており、測ったところで意味がないのだ。
それでは地下はどうなのかというと、これもまた計測不可能である。地下は一種の巨大かつ危険極まりない迷宮と化しており、詳しい探索をすることが恐ろしく困難なのだ。