俺が今欲しいもの…それは一つ。
テストの点数だけなんだ。
俺が今欲しいもの…それは一つ。
テストの点数だけなんだ。
よーし、ここからビシバシ教えて行くわよ!!
頑張りましょう、信一くん!!
おぅ!!
カラオケ屋から俺の部屋に移動し、完全勉強態勢に入った俺達。
よし、まずは教科書を読んで頭に入れよう。
………
………
………
駄目だ、頭に一切入って来ない。
教科書を読めばテストの点数が取れるなんてデマだ。まやかしだ。
読んだところでちっとも頭に入ってきやしない。
はぁ~…
俺は持っていた教科書を机の上に置いた。
テイッッッ!!
そして、頭を強く叩かれた。
痛ってぇぇ!!
駄目だよ信一、諦めたらそこで試合終了なんだよ!?
はっっ!?
お、俺は今なにをしていたんだ!!
そうだ、俺は今試合に負ける所だったのだ。
無自覚にこんな事を…怖い怖い…。
俺は改めて教科書を開いた。
………
………
………Zzz
えーい!
そして、頬を強く叩かれた。
痛ってぇぇ!!
ダメです、信一くん! 寝たら死にます!!
そ、そうだ!!
俺はなんて事をしそうになったんだ!!
あと少し遅ければ…俺は…。
俺は改めて教科書を開い……
たらまた同じ失敗を繰り返すに違いない!!
ふぁ~、私少し集中力切れてきたので、少し下で休憩してきますね。美智瑠さんとお話でもしてこようっと…
そうして、桜は部屋を出ていった。
そうだ、桜の様に一旦落ち着こう!!
落ち着けばきっと…。
でも、俺は桜の様に休んでる時間はない。
なら、どうすればいいんだ…?
信一、眠いの?
いや…その…はい
情けない。教えてもらってる立場で眠いだなんて何様なんだ俺は。
しょーがないわね…。まず、覚えるのに何も書かないのが間違ってるの
あっ…言われてみれば…
ちょっと、ペン握ってノート開いて
はい
言われるがまま、俺はペンとノートの準備をした。
よし、やるわよ
えっ?
実は俺の後ろまで来るとしゃがみこみ、俺がシャーペンを握っている方の手を掴んでそのままノートに何かを書き始めた。
ふぅ、こんな風に年号と起こった事を交互にノートに書いた方が覚えやすいし、眠くならないでしょ?
う、うん!
そんな事より、この姿勢を取ることによって必然的に僕の背中には豊かな丸みのある物体、通称おっぱいが押しつけられていて、全然これっぽっちも集中できやしなかった。
じゃあ、他にも書くわよ
えっ、えっ、えっ
気づいてないのか、実がやめる気配は一切ない。
~~♪
ぅぅぅぅ…
背中越しでも分かる実のおっぱいの膨らみ具合。
昔から薄々気づいてはいたが、実はかなりの巨乳だ。
本当にたまーにだけ、幼馴染ながら巨乳すげーとか思ったりもしたが、それ以上意識したことはなかった。
でも、この状況は誰がどう考えても意識する他ない。それ故に、今日はいつもよりもおっぱいが大きく感じた。
改めて、この状況だからこそ言わせて欲しい。
〝巨乳スゲー〟
あれ? 信一顔赤くない?
じぇんじぇんしょんなことないよ?
そう? 呂津が回ってない気がするけど…
き、気のせいだよ!
じゃあ、あとは一人で頑張ってね。わからない所があったら教えて
りょ、了解!
~おっぱいタイム終了~
俺の背中から大きな胸が離れて行った。
しばらくして、桜が帰って来たと同時に今度は実が休憩に向かった。
信一くん、何かわからない所ありませんか?
えっと…そうだね…
折角教えてくれようとしてるのだ、聞けるときにどんどん聞いてしまおう。
ここと…ここと…
どこです?
教科書を指差して教えるが、見えなかったのか桜は俺との距離をかなら積めた。
そう、かなり。
はぅ………!!
どうかしました?
いえなにも!!
桜と俺の距離がゼロになるとき、桜のおっぱいが必然的に俺の肘部分に当たってしまう。
おぅ、再びのおっぱい最高。
桜は一生懸命教えてくれているのに、俺の耳には一切入って来ない。
伝わってくるのは、桜のおっぱいの感触だけ。
実ほど大きいとは言えないが、確かにその胸には丸く柔らかい物体がぶら下がっていて、柔らかい感触がポヨーンポヨーンと俺の肘に押し付けられる。
今この場面は幸せ以外の何者でもない。
そして、心なしか実よりも桜のおっぱいの方が遥かに柔らかく感じた。
やっぱり、おっぱいは大きさじゃないんだな~と思った。
わかりましたか?
わかりましたよ!
ならよかったです
ありがとうございます
ふふ、いえいえ
まったく理解しないまま、至福の時間は過ぎていったのだった…。
はぁっはぁっはぁっ…
凄くドキドキした。
まさか自分からあんな事をやるなんて、思いもしなかった。
でも…確かに、信一は私の事を意識してた!!
そう、それは確信する事ができたのだ。
あの息使いから、頬の火照り具合まで完璧にわかった。
あれは私を意識した!!
胸がドキドキする感情と共に、どこか気持ちが満ちた様な感覚に休憩中の時間はただひたすらに浸った。
それと共に…
パットを着けて望んだ事に対する罪悪感も湧いてくるのだった。
その後、夜遅くまで教えてくれた二人だったが、流石に泊まっていってもらう訳にはいかず、家が遠い桜は実の家に泊まっていく事になった。
二人を実の家のマンションまで送り、家に帰った俺は再び机へと向かった。
今度ばかりは点数をとるんだ…。
二人の頑張りを無駄にしないように。