間もなく姫野美雪アピールステージがはじまります
開演までしばらくお待ちください
あの…すみません…その奥の席…よろしいでしょうか…
前を通していただいて…すみません…失礼します…
あ…! プロデューサーさん…!
隣の席プロデューサーさんだったんですね、よかったぁ…
もう…プロデューサーさんですよね? 客席からライブをはじめようなんて言いだしたの
突然演出プランを変えるから、スタッフさんも慌ててましたよ
なあ…あれ…姫野美雪じゃないか?
ほんとだ…みゆきひめだ…
こんなに近くで見られるなんてラッキーだぜ!
ううっ…いくら開演前で照明が暗くなってるからって…
やっぱり周りの人には気づかれちゃってますよぉ…
美雪がそわそわするから気づかれた? ええっ!? そんなこと言われても…
みゆきひめ…ひめに投票したよ!
みゆきひめ大好きです! いつも応援してます…!
うん…ありがとう!
しーっ…
ごめん あとちょっとだけ
知らないふりをしててね
私、昔からダメなんです。こういうの知らんぷりしてるの…
おばあちゃんにも美雪は顔に出るから隠し事はすぐわかるなんてよく言われて…
そもそもこんな目立つ恰好で周りにバレないわけ…ない…よ…!?
うあ…! もしかしてプロデューサーさん、私がそういう性格だってわかっててわざとこういう演出に…!?
いま笑いましたよね! 絶対に笑いました! やっぱり!
どうしてそんなにいたずら好きなんですか…?
めっ、ですよ…
あの…
手を握っててもらえませんか? 歌い出しのところまで…
…ありがとうございます
うん…落ち着いてきた…
美雪、あなたなら大丈夫…きっと…
さあ…行くよ…!
あふれそうな想いを
ねえ 受け止めて♪