ガガガ ピィィィィィッ
プロデューサーさん!
いよいよIGEのラストステージですね
最後は陽光の歌姫こと、姫野美雪ちゃんのステージです
みゆきひめー!
みゆきー!
みんなー! 楽しんでくれてるかなー!
みんなの想い!
全部私たちに届いてる!
最後の最後まで、私たち諦めないよ!
全力疾走するから!
みんなも一緒にライブを盛り上げてね!
みーゆーき! みーゆーき!
それでは聴いてください!
『想いが溢れそうで』!
ガガガ ピィィィィィッ
!!!
ええっ!
ど、どうしたんでしょう!?
まさか機材トラブル!?
こんな時に!
大変!
お客さんが騒ぎはじめています
どうやらスピーカーから音が出ていないようですね
演奏も止まってしまって…
私、スタッフさんのところへ行ってきます!
プロデューサーさんはここをお願いします
プロデューサー! なにやってるの!
機材の最終チェックしたんじゃないの!?
美雪のステージが台無しじゃない!
そりゃアイドルやってればこういうトラブルだって少なくないけど…
みんな美雪のステージを見に来てるのよ!
私だって…ライバルの…美雪の歌を…
……♪ ……♪
え?
美雪の歌が聴こえる…
あの子、マイクなしで演奏もなしで歌ってる…
ずっと片想い中の君と隣同士の席になったの
何話したらいいのか分からない 夢の中でなら言えるのに
騒ぎはじめてたお客さんが少しずつ静かになってる…
これが陽光の歌姫…
ねえ! プロデューサー、私…!
え? 行ってこいって…?
も…もう!
あなたのそういうところが大っ嫌い!
何でも全部わかってるような顔しないでよね!
届けたいよ この想い
伝えたいよ 今すぐ
え…この声は…!?
臆病なわたしはいつも話せない…でも
詩乃さんがステージに…!
溢れそうな想いを
ねえ受け止めて
うおおおおおおおおおおおっ!
みーゆーき! みーゆーき!
しーの! しーの!
プロデューサーさん!
機材直ったみたいです
歓声、鳴り止みませんね…
陽光の歌姫と星影の歌姫がひとつに…
素敵なデュエットでしたね、プロデューサーさん
美雪…あなたのライブ、邪魔しにきちゃった
あなたがひとりで歌ってるのを見てたら、つい…ね…
詩乃さんたら…もう…いじわる
~♪
さあアンコールですよ!
詩乃さんもみんなも…
一緒に歌お!