大先輩

食った、食った。
腹いっぱいじゃわい。

同僚(主婦)

美味しかったでふね~。
特に水が!

ナンチャイ

って、水かー。

大先輩

がははは。
おい、まだ時間あるから
打ちに行くぞ。

同僚(主婦)

せ、せ、センプァイ!
どこまでも付いていきまふ。

 大先輩と同僚(主婦)と飲みに行き、勢いでパチンコに行こうという流れになった。

 この同僚(主婦)は可愛らしい顔してる主婦の割に、パチンコが好きらしく、ノリノリだった(多分、ジャンキー。つまり中毒者)。


 大先輩は電車で、私と同僚(主婦)は自転車で現地に向かう事になった。そしてその同僚(主婦)は、家の用事を済ませてから来るとの事で、別々の行動になった。





 私が着くと、駅周辺に大先輩は居らず、よくよく探すともうパチンコ台に座っていた。一緒に打とーぜーと思ったが、口にも出来ず、一緒に並んで打ち始める。


 そうこうしてるうちに、その同僚(主婦)が来たので、一緒に並んで打ち始める。と思いきや、自分の打ちたい台に行ってしまった。協調性の欠片も見当たらい。まぁジャンキーだからしょうがない。

 私としては皆でワイワイ馬鹿言いながら打ちたかったのだが、まぁその台が打ちたいというなら仕方ない。私は大先輩をほっぽって、同僚(主婦)の横に行き、並んで打ち始めた。

ナンチャイ

ん? あれ?
ズボンに穴開いてるぞ。
何かあったの?

同僚(主婦)

これは来る時に
自転車でぶつかってしまって、
転んじゃったんでふ。

 ズボンに大きな穴が開くほどクラッシュするとは・・・。大丈夫かと思っていたが、まぁ大丈夫なんだろう。


 そして早々に決めていた金額が機械にのまれた時、大先輩もキリのいい所だったのでもう帰ろうとなった。お互い惨敗だ。同僚(主婦)もあとチョロッと打ったら終わりだったので、後ろで待っていた。

ナンチャイ

あー、楽しかったですねぇ。

 という搾取される側の前向きな常套句を吐いた私。同僚(主婦)もあと一回転したら終わりだった。熱い予告が来た。







当たった。

ナンチャイ

空気読めよー
当てんなよー。

 と、モロに口に出して、雑談を続ける。大先輩も暇だったので、その横で打ち出す始末。まぁ、同僚(主婦)が一回で終わりそうだったので、大先輩も2.3000円で身を引き、時短(大当たりが終わった後の、オマケの消化試合みたいなもの)を終えようとしていた。



 んでそこでまた当たった。



おいおいおいおいおいおい。
「空気読めって、当てんなよ、もういいよ、帰ろーぜー、なー」

 ってそんな事があり、結果、同僚(主婦)は、負け分を取り返し、1500円勝ったようだった。

大先輩

なんじゃあ、こりゃあ!

 パチンコ屋を出て、後は帰るだけ。その時、同僚(主婦)の自転車に異変に気付く大先輩。

 前輪がかなり曲がっており、まともに走るのが難しい状態だった。よくこんな状態でここまで来たもんだな、と発言した後、聞いてみた。

ナンチャイ

どこでぶつかったの?

 同僚(主婦)曰く……。

同僚(主婦)

家を出た100mくらいの所。

「一旦、帰れよー。よくこのチャリでここまで漕いで来たな。スゲーな、おい」

「ってか、そんなにパチンコしたかったのか!!」



って、そんなお話でした。

 ちなみに私と大先輩の収支は惨敗でしたが、その同僚(主婦)は自転車の修理費1500円で、トータル、ジーンズがダメージジーンズになっただけでした。

第六話 『同僚・ザ・ギャンブラー』

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