……
さて……
そろそろ、正体を現してもいいころじゃねぇか?
そっちの姿の方がキツいんだろ?
フン……余裕そうに言いやがって……
俺達蛇人間にとって、元の姿を人間ごときに晒さなければならぬ事態は屈辱そのもの!
こんな状況だからって易々とできることだと……それほどまでにプライドのない種族だと思われるのは、心外だ
ガッ……?!
プライドが何だと言った?
聞こえなかったんでな、もう一回言ってくれ
グハ……
お……お前……
よくも、そこまで躊躇なく……
アダムスキー!
セミョーン、暫く黙ってろ。
まだ俺は、アルセニーを汚した分しかぶつけちゃいねぇぜ
アダムスキー……
ウ……
……
……なるほど、そういう形をしたタイプもあるわけか
ググググ……
包帯ね。
何処かで別の者に住んでいた地を追われてこんな田舎町へ来たか?
……答える気は、
ヶガァアっ!!
イリヤの分だ。
話を遮った意味はないぜ?
強いて言えば、お前の泣き真似が気が触れそうなほど下手だったお返しだ
「逆鱗」とやらの、続き、か……
……報酬無しで情報をやるくらいには気に入っちまったんでな
……町の人たちにとっては、悪い人かもしれないけど……
僕には、良い人に思えるんです、アダムスキーさんは
!
これはイリヤの本音か?
それとも、何か裏があるのか?
何か俺に悪印象を
抱かせない必要があるのか?
……そういえば、先ほどまで寝ていたにしては綺麗すぎる髪や頬、肌……
まさか……
そ……
……
……そう、自分を肯定されて浮かれるような頭も、喜ぶような素直な心も残っちゃいないさ。
こんな時でも、ただ、その言葉の裏を考えちまう……
だから、もしお前が敵なら、送る言葉は一つだ
……そんなこと、
滅多に言うもんじゃないぜ
でなきゃ、俺の前で無垢な者を騙ったことを、後悔することになる
まあ、下らない回想はどうでもいいが……
これが、最後の分だ
俺の堪忍袋の緒を切った、この焔が何か、お前に分かるか?
……さあな
お前が歯牙にもかけちゃいねぇ事さ……
お前は俺の大親友に手を掛けようとした
!!