明日はいよいよ！隣国とのパーティなのよね！

えぇそうでございますよ、姫様！

ふふっ、このセレナ、隣国のラスベール王国の王子を振り向かせてみせるわ！絶対に！

セレナ様…張り切ってるのはいいけれど、パーティでそこまでしなくても……

きっと白馬が似合う素敵な王子様に違いないわ！

ところで、王子の名前はわかるかしら？

それが、王子が名前を言いたがらないようで…

まぁ！なんてことなの！？

ちょっとシャイな方なのね！きっと！
問題ないわ！私は超絶美人な上に一国の王女なのだから！草食系男子ならなおさら簡単に落ちるわ！

そ、そうですわね。きっとセレナ様なら……

さて、今日はもう遅いですから、おやすみになっては？

ええ！明日に備えなくっちゃね！
おやすみ！

はい！おやすみなさいませ、セレナ様か

……今日はこんなもんか

それにしても、どうしてみんなわかってくれないんだろう……
僕がやってることはそんなに変かな…

悩んでいるようだね

っ！？誰…！？

なに、そう構えるな。ちょっとした提案をしにきただけでね…

提案？僕に……？

ああ、そうだとも。思い通りに描ける人生を、歩んでみたいと思わないか？

…確かに、そう思ってるよ
でも、そんなの無理だ。絵空事だよ

絵空事でさえも、現実にできるさ。
この絵の具を使って、自分の理想を絵画として完成させれば、願いが叶う

本当に…？

もちろんだとも。ああでも１つ注意事項がある。絵を描いている間の未完成なキャンバスは、誰にも触れさせちゃいけないよ

……わかった。受け取るよ、その絵の具

さぁ、思うように描くがいいさ…

…誰だったんだろう？

ふふっ、さぁ！王子を落としに行くわよ！

セレナ様、それでは下心が丸見えです…
隠す気はないのですか……？

おお、愛しいセレナよ……気をつけて行くのだぞ

わかってるわよお父s…ゴリラ☆

え？なぜ言い直したのじゃ？

お土産は隣国の王子でいいわよね？

結婚に前向きな娘を送り出すのはやっぱり…

いいのよね？

ひぃっ！だ、大丈夫じゃ！ノープロブレムじゃ！

なら良かったわ！それじゃ行ってきまーす！

あぁ…セレナよ…

王様も苦労なさってるのね……
何もおこらないといいけれど……