洞窟の主 その2

グオ……グギギギ!!

スネイク

おっほ! 凶暴そうな出で立ちでやんの。てめーがボスか!?

目障りな侵入者どもめ……八つ裂きにしてくれる!

スネイク

仕事なんでね……! 倒すぜ、お前を。

ほざけ……ッ

アルマド

巨体に見合わず俊敏です! 気をつけて!

スネイク

あぶね……!

両手のナイフを交差させ、モンスターの攻撃を鼻前で止める。 獣の吐息が掛かりそうな距離!

スネイク

お、お、お? スピード勝負か? いいぜ、やってやる!

両者、ともに高速で動く。 と思えば速度を緩め、うかつな攻撃を誘う。緩急をつけ、不意をつく。気の休まらない激しい攻防!

アルマド

サポートを……

アルマド

くっ、しかし わたしの攻撃範囲では巻き添えにしかねませんね。手出しができない……!

スネイク

ハッハ、楽しいなぁ!

殺す!

ぶつかり合うナイフと鋭き爪。暗闇に飛び散る火花が光る。切り結びが拮抗するかに思われた、その時――

ブボオゴボオッ

異様な音! 思わず警戒するも――モンスターの背から現れた、鋭く尖る骨にスネイクの反応が遅れる!

スネイク

や……(油断……)

スネイク

やられっ……た!

激震! 舞い散る土埃。壁に叩きつけられる!

アルマド

スネイク!

次は、お前。

アルマド

あっ これはまずいですよ。詠唱が、間に、あわ――

魔法を放とうとするアルマド。しかし、絶望的に遅すぎる! 瞬きする間に距離を詰められ、大顎で噛みつかれる!

アルマド

ぐぐっぐ……ッ

……そんな安っぽい棒っきれでどこまで持つかなァ?

杖を口に突っこみ、なんとか噛みつきを阻止する。しかし、力の差は歴然。杖など どこまで持つかわからない。圧倒的不利……!

続く

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