【第九幕】
『全ての真相を記し終えた瞬間、私はこう言った……いつ死ぬの? いm』
【第九幕】
『全ての真相を記し終えた瞬間、私はこう言った……いつ死ぬの? いm』
委員長……
北野マユミです
ま、マユミさん……
竹内マチさん、私と友達になりましょう
い、いきなり何ですか!?
あ、あれですね。
やっぱり段階とか踏まないといけませんか?
段階とか……、そういうことじゃ……
とりあえず、次の日曜日『映画』でも行きません?
悪いけどマユミさん。
私は好きで孤立しているのであって、委員長としての責任とかでしたら……そういうのは迷惑なんですけど?
……
何か言いなさいよ!
私は孤立が嫌いです……
え?
別に貴方のことは聞いてないんだけど……
竹内よぉ……、北野のやつちょっと変わってるだろ?
お前と一緒で友達がいないんだとよ
はぁ?
相談受けたんだよ北野から
『立候補してまで委員長になったのに友達ができない』ってな
え、え―――
マチさんも他の方と一緒ですか?
私なんかと友達になれませんか?
す、すごく面倒な子……
わ、分かったわ
次の映画くらいなら
え、ほ、ほんと!?
……っていうキャラじゃないですね、私
うわぁー
じゃ、頼んだぜ
竹内!
映画の待ち合わせを近くの公園にした。
集合時間は午前十時。
少し早く到着したので、公園内にあるベンチに腰をかけた。
ふぅ……、ちょっと早く来ちゃった。
周りの景色を見て、ある事に気付いた。
そういえばここって、私が初めて来た場所だっけ……
七年前、火の賢者・ベルとしてこの地球に来た。
元々住んでいた世界、『惑星マルク』の神様によって追放され、この公園に降り立ったんだ。
そこで現在一緒に住んでいるおばあちゃんに出会い、今の『竹内マチ』という名を授かった。
今考えれば、この場所は地球からマルクに一番近い場所なのかもしれないと……そう思った。
「俺と付き合ってください!」
えっ!?
今の声、台詞に聞き覚えがあった。
なぜなら昔、自分も言われたことがあるからだ……。
お願いします!!!
え、本気なの?
ユウキくん……
うん!
超本気!
絶対退屈させないから!
……
あ、あれって……
見たところ、その二人はカップルではないようだ。
しかし、間違いないこととしては、ただ今『絶賛・告白中』ということ。
いやマジ無理きもいって正直ありえない自分の顔見て言ってんのきもいきもいきもいよお前あーきもいんじゃぁ
え……、リエ……ちゃん?
てかお前さあ、出会った時は普通だったけど、後半からただのオタクだったよなぁ?
え……?
なんで女子と遊びに行くのにメイド喫茶とかアニメの聖地を選ぶ?
見てて本気でウケたし!
……
はは……
あ?
はははははははははははははははははははははははははははははは破破破破破破刃刃破刃破破破破刃刃刃刃
え?
なんだって?
破壊の刃が何?
どうやら男性の告白は失敗した様子だった。
私はその光景を見て、心底驚いている。
なぜならその男性を知っていたからだ。
しかも、自分にとって忘れられない存在。
さらには……あの『リエ』という女性……
ぐはぁ!!!
ユウキと呼ばれる少年は突然血を吐き、地面に崩れ落ちた。
あーあー、もう薬が回ったんだね!
お早いこと!
う、うそ!
「ユウキくん!!!」
体が瞬時に反応し、吐血した彼の元へ即座に駆け寄った。
白い髪の少女『リエ』は、驚いてこちらを凝視している。
間違いない、この娘は……
あ、あなたは……?
ユウキくんに何をしたの!?
『リーフ』!!!!
へー!
私を『その名前』で呼ぶってことは惑星マルクの関係者?
火の賢者・ベルだった者よ!
へ……
へぇぇぇぇぇ!
貴方が!?
何を言っているの?
あなた……、私のこと知ってるでしょ!?
残念!
マルクに住んでいる人々から、火の賢者の記憶は抹消されてますよ!
なるほど……神様の仕業ね
そう!
だからみんな名前くらいしか覚えてないわ
それが追放された者の代償ねー可哀想
でもそっかー
貴方がかつて一緒に『竜』と戦ったベルちゃんかぁ……、意外に綺麗で可愛い顔してたんだねー
そんな昔話は今更どうだっていいわ!
ユウキくんに何をしたの!?
自然の賢者・リーフ!
第九幕 終