こうしてよりを戻したというべきか、恋人同士に戻った僕達。

 ヒロインちゃんには後でお礼をしなさいよ、“トレアの店”のチーズケーキがいいわ、とリクエストをされてしまった。

 後でお礼として持って行かないとと思う。

 そして婚約破棄書だが、その書類としての体裁をなしていないために無効となる。

 また、その事実に僕の両親も気づいていながら、黙っていたらしい。

 なんでもいつまでも僕が気付かなかったから、だそうだ。

 でも気づかないってどういう事だろうと僕が思って、お礼のケーキを片手にヒロインちゃんの家を訪ねると、

ヒロインちゃん

どこからどう見ても仲が良くてお互い両想いにしか見えなかったのよ。しかもティモシー、貴方、ジュリオ王子の話をする時、ものすごく嬉しそうだったしね……


 ヒロインちゃんは遠い目をして僕にそう告げました。

 そして僕自身が知らない僕の様子を告げられてしまった僕は、果たして僕はどうすればいいのか、僕、僕……と考えて、考えていてもどうにもならないので考えるのを止めた。

ティモシー

そういった事は、後で考えよう。今日はこれからデートだし。……折角だからジュリオ王子を驚かせてやろう


 と僕が新たないたずらを思いついて、待ち合わせの場所に行く。

 お忍びで遊びに行くから今日の僕の恰好は地味だったりする。

 見るとジュリオ王子もそうだった。

 周りの人達が何も気づかずに去っていくのを見送りながら僕はジュリオ王子に走っていく。

 ジュリオ王子も気づいたらしく微笑んだので、僕はそのまま走って抱きついて、自分から唇を重ねてやる。

 視界いっぱいにジュリオ王子の驚いた顔が広がる。

 もっとも周りに人がいたので、すぐに僕は離れたけれど。

 ちなみにここはデートスポットなのでこういった光景はよくある。と、

ジュリオ王子

ティモシー、よくもやったな

ティモシー

驚いた? 嬉しい?

ジュリオ王子

驚いたし嬉しいな

ティモシー

そっか~、悪戯成功

ジュリオ王子

そんな悪い子なティモシーはどうしてくれようか

ティモシー

きゃ~


 抱きしめようとしたジュリオ王子から僕は逃げ出した。

 それをジュリオ王子が追いかけてきて、結局捕まる。

 それからほのぼのデートに向かう僕達。

 そして、そんな日々はこれからもずっと続くのでした。

「ハッピーエンド」

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