【第三幕】
『第二の人生を謳歌したい私』
【第三幕】
『第二の人生を謳歌したい私』
おばあちゃーん!
お米買って来たわよー!
おーおー、悪いねぇ
こき使ってしまって
お世話になってるんだから気にしない!
っておばあちゃんも生活ギリギリなのに、よく私を連れ込んだわね……
私はこの異世界、『地球』での生活に慣れてきていた。
名付けのサエさんを『おばあちゃん』と呼び、おばあちゃんも私をマチと呼び捨てるが、孫のように可愛がってくれる。
最初はどうなるかと思ったし、この世界の常識や規則を覚えるのには苦労したけど、不思議とこっちの生活は嫌いじゃなかった。
マチ……
ん、なに?
知っているとは思うけど、『小学校』に行ってみたくはないかねぇ?
あーテレビでもやってる、子供達が学びに行くところね!
カッカッカ!
アンタも子供だってぇな
う、うるさいなぁ
でもこの年齢で『学校に行っていない』って、こちらの世界的に問題があるのかもね……
そうそう、でな
どうかねぇ?
学校行ってみない?
え!?
いやいや……無理無理!
大体そんなお金がどこに!?
昨日ねぇ、教育委員会(?)ってところにお勤めの『元マルク人』が見えてね
なんでも裏で手引きするから、どうしても入学してほしいっての事だけど?
ああー、強引に私を『地球人側』へ修正したいのね……
どうかねぇ?
良い話だと思うし、アタイは賛成だけど……
うーん
このままおばあちゃんの家でお世話になるのも申し訳ない。
それに出会った時、『この世界に馴れるまで家に住んでいい』という条件だった。
自立していくためには仕方ないという理由もあるけれど。
もし学校に通って勉強し、大手企業に就職が出来れば……、おばあちゃんに恩返しが出来るかもしれない。
分かった、おばあちゃん! 私行ってみるよ!
よーし!
じゃあ行けるように準備しようかねぇ!
お金はその……
教育さんが出してくれるんでしょ?
教育委員会な!
おばあちゃん!
私、『ランドセル』欲しい!
カッカッカ!
忙しくなるねぇ
決めた、近々学校に通います。
正直初めての場所に、かなり緊張はしている。
けど……。
正直楽しみだった。
私は第二の人生を楽しんでいる。
そしてそれはきっと、おばあちゃんにも伝わっているはずだ。
私を見つけてくれてありがと……
おばあちゃん!
第三幕 終