ーー断れるわけ、ないじゃないか…

アルト

わかったよ、アルマ。

ルナ

アルト!?

アルト

俺の願い、ちゃんと叶えてくれるんだよな?

アルト

だったら俺…託すよ。願い事、アルマに。

ルナ

…アルト…

アルマ

ホント…?本当に?アルト…?

アルト

…うん。いいよ、でも、一体どんなーー

アルマ

あはは…やった…!!

アルマは笑いながら、祭壇に手をついて身体を乗り出し、何かに手を伸ばすように、腕を前に突き出した…。

アルマ

聞いた?ねえ、聞いたよね、神様!!これがスコアホルダーの意志だ…これが、残されたスコアホルダーの願いだよ!!

広いドーム状の部屋に、アルマの声が反響している。耳を裂くような、甲高い不協和音が鳴り響いた…

ルナ

な、何この音…!!

アルト

う…耳が…!!

アルマ

はは…あははは…!あははははははははははははははは!!ははははははははははははははははは!!!!

ーーーー!!!!

いやな音がして、意識が途切れる瞬間、俺は…

不気味に笑うアルマの姿を見た

アルト

うわああああああああ!!!

目が覚めると、俺は自分の部屋のベッドにいた。久しぶりの自宅に、一瞬イマガイでの出来事は夢だったのではないかと思ってしまう。
…待て。なんで家にいるんだ、俺…?
慌てて窓を開け、外を見回す…いつもの景色…久しぶりの雪景色…何も、変わらない…
…そっか。アルマが願いを叶えたんだ…だから、ゲームが終わって、ここに戻されたんだ…なんか、あっけなかったなぁ。

在斗、在斗!!ちょっときて!!

一瞬誰の声かわからなかった…母さんだ。一体、そんなに慌ててどうしたんだろう……!そうだ…圭…!圭のことかも…!

俺は慌ててリビングに向かい、母さんに圭について尋ねようとした…が、母さんは震えながらある一点を指さすばかり…そこには、テレビがあった。違う。母さんが言いたいのはそんなことじゃない。正確には…。

アルト

なん…だよ、これ…?

テレビ画面には、火の海と化した中央島の病院が映っていた…。

逃げ惑う人々、それでももう遅くて、火だるまになる人、がれきにつぶされる人、怒号、悲鳴……笑い声。

アルト

あれは…!

映像の奥の方。こちらに歩いてくる人影があった。その人影だけはどこも怪我をしていなくて…赤い頭巾が、炎に溶け込んで、同調しているようだったーー。

アルト

……アルマ…?

アルマ

やあ、アルト。覚えてる?
僕だよ、アルマ。

アルマ

君は、僕が思ってた以上にひどい人だったね

アルマ

シルフが生きてるなんて嘘ついて、ご機嫌でもとったつもりだったのかい?…本当に、ひどいよ…

アルマ

僕ね、すごく怒ったんだ。わかるよね?希望を与えて、それから突き落とすなんて、最低だ。
だからね、僕もやり返してやろうと思って…

アルマ

じゃじゃーん、君が助けていった言ってた圭くん、殺しちゃいましたー

アルマ

ねえねえ、今どんな気持ち?憎い?苦しい?絶望した?ねえ?ねえ?

アルマ

まあ、安心して。この優しい神様の僕が、すぐに終わらせてあげるよ。ほら、僕って慈悲深いから?

アルマ

ね?アルト。

アルマ

嘘つき!!

狂愛、目醒め眠らず

アルマ

………コンティニュー?

YES.

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