あるところに仲良しな3人の
兄弟がいました。

1番目は美しく。

2番目は勝気で。

3番目は人々を
あっという間に魅了する
そんな不思議な兄弟。


そして彼等は両親を
とてもとても愛し
また
愛されていました。

始まりは突然でした。

この街に蔓延る
少年少女達だけがかかる
不思議な病。

『 童話シンドローム 』

まるで童話の悲劇を
再現するかの如く
不幸を招く不吉な奇病。



それはあの兄弟にも
襲いかかったのです。

童話に手招きされた不幸は
愛する両親の死。





ある少年は姿の代わりに
笑顔を失い。

ある少年は道化の代わりに
真実を失い。

ある少年は美しさの代わりに
感情を失い。


そんな彼等が失ったのは
真実という名の絆。

信頼という名の証。


哀れで愚かで愛おしい。

そんな彼等の罪の味は
仄かに甘く薫るのです。

きっとこれは罰なのでしょう。



何も知らない兄。

全てを知る真ん中。

歪んだ真実を信じる弟。



そして
そんな自分に気付かないことが
罪なのですから。

罪の味、甘い罰。

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