―魔王城玉座―
―魔王城玉座―
最近はろくな勇者がおらず、退屈だ。とりあえず強い勇者でも呼んで来い
どうぞ此方に
あー悪者倒して気分爽快……
って、私が別の魔王倒してどうするのだ!!
ですが魔王様。此処最近は私と貴方様のように、種族関係無く付き合っていこうと言うのが世間の雰囲気で……ですから、戦う意味もないので勇者おろか、戦士など誕生しないのです
あーつまらんつまらん! 手下よ、襲撃に行くぞ!!
しかし魔王様――
うるさい! お前は黙ってついてくるのだ!!
……は、はい
店長って特に好きな種族とかいるんですか?
十代から四十代までの美人なら種族は問わないよ
いらっしゃいませー
ま、襲撃するなら人の多い所だよな。どれどれ、折角だから食物でも選んでやるか
でしたら、今日はステーキにしてみましょうかね
まじで? やったー
いらっしゃいませー
おや、随分凝ったモデルガンで
残念ながら、此奴はモデルガンじゃないんだ。さ、この商品をタダで貰おうか
あ、お客様が逃げてっちゃった……
いやぁ、口先だけじゃあ本物とは分かりませんよ。試しに撃つくらいのことしなかったら
チッ、なめんなよ、女!!
あれ? 今何か飛んできました?
テメー!!
大変申し訳御座いませんが、期限が近くもない商品を割引どころかタダで渡すことは出来ないんですよ、お客様
チッ、弾切れか……
そうは行くか!
伏兵がいたか……狼さん、それ頂戴!
それ、それって……
長くて頑丈そうなの……これか!?
赤ずきん、これを!!
※本来は武器にはなりません
これは違うっ!!
えー。武器になると思ったんだけど
……やっと補充出来た。赤い女も狼も今はジジイに夢中。なら!!
赤ずきん!!
大丈夫、ちょっと痛いけど、腕にかすっただけだから
……
黙ってみれてば、か弱い女の子傷つけて
何だよ、守られてばかりの男のクセに、ごちゃごちゃごちゃごちゃうるせ――
ごふっ!
ま、魔王様!!
こう見えても昔は悪かったんだ。これ以上騒ぎ起こす気なら、今度はこっちで行くぞ
※本来は武器にはなりません
むぅぅ! 一旦撤退しますぞ、魔王様!!
う、うん……お腹痛い
……バドミントンって、武器になるんだね
赤ずきん、腕大丈夫?
ああ、大丈夫。本当にかすっただけだから。それより、狼さん。私の武器と言ったらこれだよ~
魔法杖
そっか、それもそうだよな
ま、本当は誰にも使いたくないんだけどね。コレ
赤ずきん! とうとう追い詰めたぞ!!
!!
ちょ、ちょっと! 言ってる傍から使ってるじゃない!?
ごめん、潜在本能的につい
―魔王城玉座―
アイツら強かったな……
そうで御座いますね……
俺決めた
何をです?
……俺、アイツ等に負けないくらい強くなる
道のりは遠そうですね