青年A

あ~

青年B

あ~

青年C

あ~

 誰もが、「持ち帰ることが出来ない」とさじを投げたUFOキャッチャー。それを、今日俺達が取る。そして俺達は伝説となるんだ!

 ……此処、スーパー赤ずきんで!! by、少年A

バイト君

あ、またお客様がUFOキャッチャーにかじりついてますよ?

店長

あーあれね。また犠牲者が出るのか……

スーパークレーン赤ずきん

青年A

いいかお前達。今まで俺達がこれに費やしてきた総額は二千円だ

青年B

イエッサー!!

青年C

イエッサー!!

青年A

そう言うわけで、これから作戦ツーに移る

青年A

ポジション、セッツ!!

 作戦ツー。それは、俺がクレーンの操作をし、残りの二人はクレーンゲームの横に並んで俺へと位置の指示をする方法である。ただし、これには一つ面倒があり。

青年B

今だ!!

青年C

……い、今だ!!

青年A

え、え? ど、どっちの言うことを聞けば

青年B

あ~

青年C

あ~

青年A

お前達が声を揃えないからだろ!?

 その後も、俺が横へ回ったり、横から見る役を一人にさせたりと試行錯誤したが、箱が穴に落ちることは無かった。

青年A

……おい。もう総額五千円だぞ

青年B

なぁ、もう諦めて帰ろうぜー?

青年C

金がもったいねーよ

青年A

馬鹿! 此処まで俺達は何を得にやって来たんだ!?

青年B

何?

青年C

何?

青年A

景品……

青年A

誇り、だろうがよぉ!!

青年B

おお!

青年C

おお!

今、かっこいい言葉を見つけてから、大声で発してた気がするんだけど……

青年B

くっそ~

青年C

この野郎~

青年A

……チッ!

青年B

どうすんだよ、俺金無いぞ?

青年C

俺も……

青年A

……俺、レジ行ってくる

青年B

……おい、それは待て!

青年C

お前正気かよ!!

青年A

ああ正気だよ。正気で直談判しに行くのさ……

青年A

店員さん!!

赤ずきん

はい?

青年A

……これ、百円にして下さい!!

青年B

アイツ、ありったけの十円と一円を百円分出しやがった!!

青年C

五十円と十円ならまだしも、十円と一円! 時間かかるしすごい恥ずかしいぞ!!

赤ずきん

はーい。少々お待ち下さいね~

赤ずきん

はい、此方百円です! ガチャガチャやるの?

青年A

いえ! ほ、誇りを取り戻しに行ってきます!!

赤ずきん

うーん、ホコリ? とりあえず頑張ってねー

青年A

……お前等。泣いても笑っても、これが最後の一回だ

青年B

ああ!!

青年C

おうよ!!

青年B

青年C

青年A

……いっけぇ!

青年A

……やっ

青年B

やったぁぁぁあああ!!

青年C

やったな!!

青年A

……や、やったな。お前達!!

青年A

……で、中身は……

さっきの子達、UFOキャッチャー取ったみたいですね

赤ずきん

ああ、さっきの子達、UFOキャッチャーやってたんだ。でもあれ、絶対持ち帰れないからなぁ

その伝説も、打ち取ったり! だな

赤ずきん

いいや、絶対に持ち帰れないよ

どうして?

赤ずきん

だって、あれ、中身が――

青年A

お前等早く帰るぞー! じゃないと溶けちまう

青年A

こいつ等がな!!

青年B

おー!!

青年C

おー!!

52・男の誇り! スーパークレーン赤ずきん

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