スーパ―クローン赤ずきん
(後編)
スーパ―クローン赤ずきん
(後編)
前回のあらすじ。
俺がクローン人間の話をしたことから、赤ずきんがクローン人間を作ろうと言い出し、お客様のクローン人間を沢山生み出してしまった。
本来ならお客さんが増えてラッキーのはずが、途端に増えたお客様が色々と面倒を起こし、俺達はてんてこまい。
そこへ立ち上がったのが、自らもクローンを生み出した赤ずきんなのであった!!
おい、人様に渡すやつなんだ、袋をよこせ!!
だから袋は要らねーよ!!
ど、どうすんだよ赤ずきん……
お客様
こんなこともあろうかと……
包装紙!
用意してあります!!
……ん、んなもん
要らねーよ!!
いるでしょうがこのバカっ!!
……お、お前
何で此処にいやがる
人が急に増えたってこの店が話題だから来てみたのさ。そしたらまた恥さらしが増えてたみたいね……! 帰ったら承知しないよ!!
チッ!!
クッ!!
それじゃあ此方お包み致しますね。赤ずきん、宜しく!
任せて赤ずきん!!
赤ずきん、あっち!!
ひぇぇ! 助けてー!!
アレは大丈夫!!
アレは大丈夫!!
大丈夫じゃねー! ギャオーッ!!
わー逃げろーっ!!
わー逃げろーっ!!
きゃーっ!
きゃーっ!
じゃああっちは!?
ママー
お菓子ー!
もうやめて……
お客様、とりあえず今日は買いましょう!
買わせるの!?
何せ、今日はポイント五倍ですから! 買い置きしといた方がお得ですよ
如何です? お客様
あら……じゃあ、買っちゃおうかな
わーい!
やったー!!
スミマセン
スミマセン
すみません
すみません
……
……早く
パンツをくれー!!
くれくれー!!
はいはーい!
皆様ちゃんと列に並んで下さいねー! あと最後の奴は家へ帰れー!!
次々に来るお客様を、ダブル赤ずきんは次々に会計していく。その様はまるで……。
ヒロイン(俺)を守る、戦士……!
っ馬鹿なこと考えてる場合じゃない。俺も何とかしないと……
と、溜まったカゴを戻しに行こうとしたその時……。
バナナの皮
あ
赤ずきんのクローンが転んで頭を強く打ち付けたその瞬間、赤ずきんのクローンは煙となって消えてしまった。
……と言うことは……?
……
……
……夢か
赤ずきん、早くご飯食べないと仕事遅れるよー
はーい!!
俺、一日くらい赤ずきんになっちゃおうかなー
じゃあ、俺緑フード君で
クローンが多いとお客様が増えるは増えるけど、二人になっても結局買うのは一人分が多かった。それどころか、増えたら問題が増えるばかり。それなら、クローンである必要は無いや。
私は店に入り、レジへと急ぐ。
おはよー狼さん
おはよー
おはよー
……
50話終わり