ここは『エル島(えるとう)』








 ここで大地の賢者・グランドが修行しているという。

 彼には一度会って話したことがあるのだが、どうやら俺は忘れることに定評があるらしい。

 後ろからマチが『更新サボるから……』と、謎の呪文を連呼しているのだが、とりあえず聞き流している。









「セイ! ハッ!!」




ノト(ユウキ)

お! なんか聞こえるな

マチ

グランドさんでしょうか?

ノト(ユウキ)

多分な






 俺達は声のする方向に足を進めた。

 『セイ、ハッ』という掛け声から察するに、武術か何かの修行をしているのだろうが、一体何と戦うためだろうか。

 声を聞いている内に、グランドという人物を自分は徐々に思い出していった。

 確か彼は、プリス姫を奥様でもないくせに『俺の嫁』と呼ぶ『変態』のはずだ。





グランド

ハァァァァァ、ハッ!!!

ノト(ユウキ)

よっ!

グランド

お、お前は……

ノト(ユウキ)

久しぶり!

グランド

誰だっけか?

ノト(ユウキ)

え?

マチ

更新……サボ……

グランド

はは! 冗談だよ、ノトだろ

ノト(ユウキ)

だ、だよなぁ! ハハハ、忘れるはずないよな!

マチ

自分は忘れてたのに……

ノト(ユウキ)

は……、はははははははははははははははははははははは刃破刃破刃破母母……

グランド

で、どうした? こんな離れの孤島まで来てよ、俺に用か?

ノト(ユウキ)

ちょっと聞きたいことがあってな、プリス姫にここで修行してるって聞いたから来てみたぜ

グランド

ほう……

ノト(ユウキ)

てか、何で修行してんの?

マチ

それは私も気になる……

グランド

前にも言ったが、この世界は『自由』だ。 ルールがない平和な世界だ

ノト(ユウキ)

そうだな

グランド

だがそれは、そう見えるだけだ……

マチ

え?

グランド

俺達は人間だ。 人の性格・考えだって様々だろ? 定め事がなくたって『悪党』は必ずいるものだ。 お前達の世界でも、この世界でもな

ノト(ユウキ)

人の道を外れてしまう者がいる……、てことか

グランド

そうだ、そういう輩の目を覚まさせるために、俺は常に強くなくてはならんのだ

マチ

すごいです! 私たちもグランドさんを見習わなくちゃ……、特にノトくんは!

グランド

で、俺に聞きたい事って何だ?






 グランドに俺達が地球に帰りたいことを伝えた。

 そして、その手段を問う。




グランド

なるほどなぁ……、ノトも帰りたくなったのか、ホームシックってやつだな

ノト(ユウキ)

もー、真面目に答えてよ

マチ

何か手はないでしょうか?

グランド

正直、俺にはどうすることも出来ないな、自分だけを向こうの世界に転移させる事はできるが……

マチ

プリスちゃんもそう言ってました

グランド

だがな、一つ教えておく











「向こう(地球)に追放されたという者はいる」









マチ

つ、追放!?

ノト(ユウキ)

ほー

グランド

噂だけどな?

ノト(ユウキ)

つまり……、良い言い方をすれば、対象物を地球に転移させる力を持つ者がいるということだな?

グランド

そういうこと

ノト(ユウキ)

それは誰だ?

マチ

教えてください

グランド

誰かは知らん、でも候補はいる。 そもそも、そんな事ができるのはまず、あの方しかいないだろうな

マチ

あの方?

ノト(ユウキ)

ノアか!?

グランド

いや……



































「この世界の『神様』だよ」















第十五章 終















第十五章『足下に♪ おてm♪』

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