藍斗

ねーまだつかないのー?

右京

もうちょいだと思うぜ。

千恵里

もう疲れたー

遥香

千恵里は引きこもりすぎなんじゃないの?

千恵里

うるさい!

右京

おっ?
あれか?

瑠美

みえてきたー!

夏の日差しが照り付ける中、僕らは大荷物を抱え山の中へと来ていた。
事情を知らぬものから見ればよくわからぬ光景だ。
しかし、僕たちにはちゃんとした目的があった。

藍斗

いい眺めだね!

遥香

ん~!
空気がおいしい!

千恵里

すごいわね……

右京

まずはテントを張るぞー

僕らは山の中腹あたりを流れる川辺にテントを張った。
キャンプ用具に余裕があったため、一人一つずつ小さなテントを使うという少し贅沢な使い方をした。

まぁ、だからこそ、こんなに大荷物になってしまった面もあるのだけれど……

瑠美

私、キャンプってしたことないから楽しみ!

千恵里

こんなの退屈なだけよ……

そういいつつ千恵里は髪をくるくると回している。
これは彼女の気分が少なくとも落ち込んではいないしるしである。
そのことは皆がわかっている

遥香

よーし!!
楽しむぞー!!

こうして、僕たちのひと夏の思い出作りが始まった

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