東儀 雅春

おーい、貴幸、茜ちゃん。
2人とも突然ぼーっとしてどうしたんだ?

鏑木 貴幸

んっ?

上坂 茜

あれ?

雅春に呼ばれて気が付くと、

俺は教室で席に腰掛けている事に気が付いた。

上坂 茜

ここは……どこ?

浅倉 夕

茜、ここはどこって自分の席で、
ご飯食べてたところでしょ?

東儀 雅春

いくら2人が仲が良いからって、
同時に居眠りするとかシンクロ率が凄いな

鏑木 貴幸

いや、別に居眠りしてた訳じゃない……
気がするんだが

上坂 茜

うん。私も居眠りしてた訳じゃなくて、
誰かにお世話になってそのお礼を……
あれ?

鏑木 貴幸

なんか俺もそんな感じがする。
屋上で何か……

東儀 雅春

変なやつらだな……。
昼休憩になってからずっとここで
飯を食ってたじゃないか

雅春にそう言われて、手元を見ると、

確かにカレー焼きそばパンを持っていて、

かじった跡もあるようだ。

鏑木 貴幸

あれ、これはなんだ?

机の上に見慣れぬ物が置かれていたため、

よく見てみると、それは銀色の指輪だった。

鏑木 貴幸

銀色の指輪……これは茜のか?

上坂 茜

ううん、私こんな綺麗な指輪持ってないし。
夕ちゃんのじゃないの?

浅倉 夕

私こんな高級そうな指輪持ってないー。
それに私には指輪似合わないので

東儀 雅春

そんな事は無いと思うけど、
何かその指輪いい感じだな。
何か想いみたいのが、
伝わってくる感じがする

鏑木 貴幸

想いが伝わってくる……?

上坂 茜

何か思い出しそうな気もしないでもないけど、
なんだか分からない……

鏑木 貴幸

でも、凄く大切なものであるのは
俺にも分かるな

上坂 茜

うん、私も

東儀 雅春

そう言って、二人でこっそり指輪を
買ってきたってオチじゃないだろうな?

鏑木 貴幸

いや、これは!

上坂 茜

これは、にい!……にい?

浅倉 夕

にいって何?……新妻?

上坂 茜

夕ちゃん、そんな意味じゃないって!
ほら、にい……!

鏑木 貴幸

……新崎さん

東儀 雅春

新崎さんって誰?

浅倉 夕

うーん、私も知らないです

上坂 茜

そうだ、これは新崎さんが
指にはめていた指輪だ。
新崎さん記憶を消すって言ってたけど、
最後に「またいつかどこかで」って
言ってくれた気がする

鏑木 貴幸

記憶を消さないでおいてくれたんだな

上坂 茜

すぐに会う事はたぶん無いと思うけど、
またいつかどこかで会って、
色々な話を一緒にしたいな

東儀 雅春

おーい、2人の世界に入らないでくれませんかねー? 新崎さんって一体誰なん?

鏑木 貴幸

新崎さんはな……

鏑木 貴幸

俺達の大事な友達の事だよ!

上坂 茜

私達の大事な友達の事だよ!

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