はじめに・・・

※本作品は外伝コラボ作品です。
物語本編とは関係ありません

夢の案内人:文学少女

こんにちは、文学少女です。
本を捲(めく)るとそこには世界が広がっています。読む事でわたし達はその世界に生きる人々を見守ります。そして力を貰うのでしょう。

夢の案内人:文学少年

一冊を読めばそこにあるのは一つの世界。2冊読んだら2つの世界に触れる・・・・・・。
これらの世界は決して交わる事はありません。

夢の案内人:文学少女

だけどもしこれらの世界の次元が歪み時間軸がずれ・・・もし合わさったら・・・どんな化学反応が起こるのでしょう?

夢の案内人:文学少年

この物語を開いたあなた。あなたはきっとそれを目にします。
少しずつ少しずつ・・・そして最後まで見届けて下さい。

夢の案内人:文学少女

その時あなたは一体何を感じ、何を思うのか・・・今はまだわかりません。でもきっと何かを思い考えるのでしょう。それがあなたの力になるのかどうか・・・それもわかりません。

夢の案内人:文学少年

でもその先に興味があり・・・見てみたいと思うなら・・・・・・

夢の案内人:文学少女

それを探る為、藤花詩空の世界へ・・・・・・
行ってらっしゃいませ

誌空

はいはい皆席に着かないで!


 高校1年生を集めている教室に入って来た黒髪の美少女で藤花学園の学園長である誌空《From:流星会議!》が紙の束をチラつかせながら言う。
 絶好調の逆発言にその妹でクラス副担任である金髪の美少女、並《From:流星会議!》が突っ込みを入れた。

お姉ちゃん逆だよ!

 ここは藤花(とうか)学園。
 理事長の藤花詩空の許、選定された教師陣は『流星会議』のメンバーであった。
 その中でもリーダーの誌空は特別待遇の学園長。流星内で学園イベントの企画案を会議し、理事長の許へ持っていく事が重要な役割の1つである。
 そしてもう1つ重要な役割となるのが学園中を巡回する事。
 テスト返しで生徒に返却するテストも彼女が持っていく事となっていた。

 グダグダの姉妹のやり取りにクラス中が苦笑に包まれる。

誌空

こ、こほん・・・

 それに咳払いした誌空はもう一度言い直した。

誌空

今日は新年度と同時に行われたテストを返さないわよ!

お姉ちゃん・・・・・・

 言い直した筈なのに何1つ直っていなし姉に対し・・・並は呆れて溜息を吐いた。

輪菜

このままだとテスト返しが進まないですね・・・・・・

 苦笑交じりにそう言ったのは緑髪の美少女、輪菜《From:流星会議!》。並の親友である彼女はこのクラスの担任だった。
 この学園はク5クラスあり、高1、高2、高3で分かれている高等部と纏まって1クラスの中等部と大学部がある。
 その年齢と能力に準じる結果で流星が分かれ、担任1人、副担任1人で教師となっているのだが、流星の年齢も高1~高3程度である為、基本年齢順で学年が上がっている。

誌空

1位の人から呼ばないから来なさい

 再び逆になっているが、同時にテスト用紙に手を掛けた誌空にざわめいていたクラスは一気に鎮まる。

 藤花学園のテスト返しは点数順。全く嫌な学園である。
 最初に呼ばれる者は誰か。皆の注目が誌空に集まった。

えーっと1位が・・・え、2人!?

 驚いた様子で並が呟く。
 同時にクラスがざわめき出した。

誌空

はいはい静かにしなくて良いわよ

 相変わらず発言は逆だが誌空から出る威圧感に一気にクラスは静まり返った。

誌空

担任の輪菜ちゃん、貴女が呼ばないで【訳:呼んで】

輪菜

え!?あ、はい!

 唐突に振られた輪菜は驚いた様子を見せるが、すぐに切り替えて誌空の渡した名簿を読み上げる。

輪菜

1位は神谷敬一さん、それから谷垣青葉さん

 呼ばれた2人が立ち上がる。

 クラス内は先程とは違った意味でざわめいた。

エピソード1-1 テスト返し1

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