オカミさん

いらっしゃい、今日の惣菜もとっても美味しく出来上がってるよ。試食もやってるから、どうぞ食べてってー

凄いよなー試食販売って。俺照れちゃいそう

赤ずきん

あれはオカミさんだからこそなせる技だね

かもな……あっちは悲惨だし

売り子ちゃん

いらっしゃいませ……いらっしゃ……

少年

じーっ

売り子ちゃん

よ、良ければ食べて……?

少年

……

売り子ちゃん

美味しい?

少年

……生焼け

売り子ちゃん

……

売り子ちゃん

アイツ許さん……

いや、まずしっかり焼いてから渡そうよ……

 とかなんとか言ってるうちに、少年とその父親は赤ずきんのレジに向かっていた。

赤ずきん

いらっしゃいませー!

父親

これ頼むよ

赤ずきん

かしこまりました!!

父親

あれ、ウィンナーなんて何時入れたんだ?

少年

さぁ?

 あのウィンナーはさっき売り子ちゃんが勧めていたやつ……あの子、何だかんだ言って美味しかったんだろうな。

 赤ずきんも同じように感じたようで、にっこりと微笑みかけた。

赤ずきん

うちの販売員が勧めていた商品なんです。買ってくれて有難うね

少年

あのお姉さんが、売れなくてあまりにも可哀想だったから!!

売り子ちゃん

なんですとー!?

少年

げっ!

売り子ちゃん

……なんてね

売り子ちゃん

アリガトウね

少年

……!!

少年

うっせーこのオニババ!!

売り子ちゃん

やっぱり許さんー!!

少年

逃げろー!!

 どうやら、またこの店に人気者の赤ずきんが現れそうです。

32・大丈夫? スーパー売り子

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