その日、牧と一緒に学校へ行くと机が落書きされていた。
微妙な違和感を覚えて、三宮君に視線を移すと、疲れたように読書をしている。
彼と目が合うことはなかった。
その時、あたしは気が付いた。
三宮君に何かあったんだと。
牧が自分の席に荷物を置いている間に廊下に出て、家から持ってきていたスポンジに水を浸して教室へ戻る。
手伝ってくれる牧と二人で机の落書きを落としていると、油性ペンの中に鉛筆で文字がかかれていることに気が付いた。
ごめんね。
たった一言。
それだけ、筆跡が違った。
動きを一瞬止めたあたしに牧が気が付く。