前回までのあらすじ
前回までのあらすじ
おとぎ組の学級会議は脱線してしまいました。
マッチ売りェ……
収集が付かなくなったのでお外に出ましたー。
根本的な解決にはなっていません。
今から、私たちアンデルセン童話の素晴らしさを貴方たちの頭に叩き込んでやるわ!
真っ黒グリム童話と違って、私たちアンデルセン童話は優しくて美しいの!
さあ、教えてあげなさい人魚姫ちゃん!
うわ、こっちに飛び火したー。
校舎の中に残ってれば良かった……
ふん、魚ごときに何が出来ますか。
貴方の素晴らしさ、教えてもらおうじゃないですか!
かっちーん。
喧嘩を売ってくるスタイルなんですね。
そっちがその気なら分かりました。
初めに言っておきます。
私の物語はバッドエンドです。救われません。
鮮血期待。
ねーよ。
人魚だから血は出ません。
ですが、最後は泡となって消えてしまいます。
私は王子様に恋をして人間になろうと考えました。
魔法によってそれは上手くいったのですが、代償として声を失ってしまうのです。
おまけに、王子と結婚できなかったら泡となって消えてしまうという二重苦。
それでも、私は人間になって王子様と共に生きることを決めました。
それで結婚できずに消えちゃうのね。
かわいそー、魅力なかったのよきっと。
そうですね。魅力なったんですよね。
王子様を殺せば人魚に戻れる魔法なんですが……
出来ませんでした。
だって、王子様を愛していたから。
ぐおおお……やめろー!
く……くるしい……
浄化されるー……!
フフフ……効いているわね。
貴方たちの汚れた心にしみるでしょう?
さあ、次の一撃はもっときついわよ。
最強の童話ヒロインのご登場!
雪の女王から、ゲルダちゃん!
さ……最強なんて!
変なこと言わないでよ親指姫ちゃん!
で……出たわね化け物……
この子はヤバいわよ……
全童話ヒロインを否定しかねない存在……
ええええー!?
私なんか変なことしたっけ……?
あまりにもストロングすぎるのよ。
思い人を探して北の果てまで旅するって、
もう少年漫画とかその域よね。
一応童話だけど、どっちかと言うと私と近い感じかな。
大作すぎて話をまとめきれないや。
ゲルダちゃんは凄いわよ。
山賊に捕まったり、雪の軍勢に追われたり、はだしで北の果てまで歩いたんだから。
でも、私って特別な力も何も持ってないし……
いっつも助けられてばかりで、迷惑かけっぱなしだったよ……
それが一番ヤバイのよ!
人も動物も、貴方の努力と信念を見れば自然と手を差し伸べてしまう。
ひたむきで……純粋で……つまりのところ……
圧倒的ヒロイン力。
そ……そんなヒロイン力って……
私はカイくんを助けたかったんだ。
それだけだよ!
ぬわああああ……!
ぐぬ……
眩しすぎる……
くっ……増援よ!
グリム童話の増援を!
ラプンツェルちゃんを連れてきたわ!
王子釣れないかなー。
髪の毛で王子釣れないかなー。
うわ、ダメそう!
髪の毛で人間引っ張り上げるカオスストーリー展開している時点で論外よ。
突っ込みどころしかないわ。
いきなり冒頭から「菜野菜が食べたい」とか言い出すのも理解不能ね。
そう思えてしまうのは、みんなの心が汚れているからじゃないかな……
あ、なんか釣れた。
王子です。
キャッチ&リリース。
ぎゃあ。
そういう小芝居いらないから。
リリースするならくれよ!
王子様くれよ!
アリスちゃんがぶっ壊れたところで……
後編に続くー!