霊深度
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五
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ここから先へ入れば、当分……出られなくなる。
覚悟は良いか?
かく……ご
…………
私、何するの?
何されるの?
霊邏(れいら)……と言って分かるか?
ううん…………
幽霊に関する事件を扱う、警察のようなものだ。
お前がこれから向かうのもその一派、霊邏技術研究所だ
え、警察?
といっても、ここにいるのは何をしているか知れぬ……闇の集団共だ。
「警察」だと……正義の機関に居るなどとは思うな
ど、どういうこと…………ですか?
説明している時間はない
私は、少女の手に紙を持たせた。
貴重な幽体の糸を織り込んで作られた、幽霊にも触れることのできる紙だ。
助けが来るまで、絶対に諦めるな
え、
その紙は靴にでも入れて隠し持っておけ
遅れているぞ
さっさと歩け
? は、はいっ!!
入れ
……シド
お 前 にしては手際が良いな
連 れ ていけ
はい!
こっちだ!!
あ……
ふ ん……
一つ聞かせろ
あの幽霊を使って何をする気だ?
情 で も湧いたのか?
まさか
霊 の 仕業は従来の捜査ではその痕跡をほとんど見つけることができない
……
そ こ で霊を捜査に使う
霊 は それぞれ特殊な器官を持つ。知 っ ているだろう?
逆 探 知、超感覚、霊の痕跡……奴 ら が起こした事件は奴らに探らせ解決すれば良い
……そのために、多くの能力を持つ霊を掻き集めて「解析」するわけか
分 か っているではないか
あ の 霊は状態の変化により多くの能力を発揮する特殊個体。あ れ さえ徹底的に調べれば、あとは適合個体に各々適応するだけだ
……………………
つまり?
……外道
……何 と 言った?
実践で使うのは、特殊でない幽霊。
調査するだけして満足したら、特殊個体である「あれ」は廃棄するということだな? 無理矢理連れ去っておきながら
……
「何 と 言った」、と
聞いたはずだが
……寝る
……アイツラの考えはそんなことか
あー……なあ、カガミ?
何だ?
計画を遅らせる気なら許可しないぞ
違う
なら切る
待てって
……なんでそんなに焦ってんだ?
……
明日突入できるか?
無理だっつの
なら言う義理は無いな