ノト(ユウキ)

くっっ……、うっっああああ……、こ、これは……、あああ!

マチ

あ、あの……、これいつまで続きます?

ノト(ユウキ)

もうちょい!!!















俺の誤魔化し演技は十五分ほど続いていた。


そろそろ周りの観客も察してきたのか、続々と帰りだしている。











ノト(ユウキ)

さーて、どうしたものか……

マチ

ノトさん、よく頑張りました……、だからこれ以上はやめてください、胸が苦しいです……

ノト(ユウキ)

マチちゃんが心配してくれている……、テラカワユス!

プリス

そ、そんな……!

ノト(ユウキ)

あ、あれ? プリス姫はまだ信じてそう!?

プリス

こ、こんな事って……

ノト(ユウキ)

これはチャンスかもな……











俺は少し間を置いた後、体の力を抜き、呼吸を整えた。









ノト(ユウキ)

ふーーーっ!!!

マチ

戻った

プリス

……

ノト(ユウキ)

よし、俺の神演技の時間だ!

















ノト(ユウキ)

ははは、素晴らしい! 力が、力がみなぎってくる!!!

マチ

まだ終わってなかった……

プリス

で、でしょうね! まさかあなたがここまでの器だったなんて……計算外だわ!

ノト(ユウキ)

仕方ないから今回は見逃してあげよう、俺の気が変わらない内に消えな!

プリス

私は姫よ! そんなみっともない真似は出来ないわ!

ノト(ユウキ)

んー、上手く丸く収まらんかなー













どちらもすぐに動き出せず、場は硬直状態になった。


マチもプリスがここまで騙されるとは思ってなかったらしく、ただただキョトンとしている。














ノト(ユウキ)

さて、では……

ちょっと待った!

ノト(ユウキ)

ん!?

マチ

あ、上!

プリス

あ、あなたは!













俺たちは全員空を見上げた。



上空にいたそれはにっこりと笑顔を浮かべ、地上にゆっくりと降り立つ。





















男だ!



しかもよく見るとイケメンじゃないか。









やあやあやあ! こんにちわ諸君

ノト(ユウキ)

イケメソか!

マチ

あ!

プリス

……!

久しぶりだね、姫!

ノト(ユウキ)

あれ? 知り合い?

マチ

ノトさん、おそらく彼はこの世界で最も知名度がある人です

プリス

そ、そうね……、あなた変わってないわね、この突然すぎる登場の仕方とか






















『世界最強の王・ノア』

















ノア

最強なんて、照れるわ!

ノト(ユウキ)

強そうだけど、オーラとか無いですね

ノア

君がこの空気の正体か! うんうん感じるよ! ヒシヒシ感じる!

ノト(ユウキ)

はい?

ノア

アニメを見てたらさ、妖精山の方からとんでもない力を感じてね! 飛んできたんだ!

ノト(ユウキ)

あー、それで空から登場っすか(こっちにもテレビとかあるんだ……)

ノア

ふふ、君の名は?

ノト(ユウキ)

こっちではやってないですよねー

ノア

は?

ノト(ユウキ)

あーいや、こちらの話しです……

ノト(ユウキ)

俺はノトです

ノア

ノトくんか! 名前まで似てるとはね!

ノト(ユウキ)

あのー、さっきから何ですか?

ノア

うん、君は気付いているのかな?

ノト(ユウキ)

え?

プリス

じゃあやっぱり!?

ノア

そう、ノトくん君はね



















「俺と同じ『虚無の力』に覚醒している!」















ノト(ユウキ)

……




























ノト(ユウキ)

俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!

ノト(ユウキ)

じゃん!

ノア

そうだね、君はとても強くなった!

マチ

はー、なんか急展開過ぎます……























第九章 終
















第九章『なんでだろー! なんでだろー! ななn』

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