ぴこんっ
ぴこんっ
なんだよこんな時間に。ん、こんなアカウントみたことない……
見たことないメイドのスタンプが一つ送られてきている。
気味悪いな
しかし、好奇心でメッセージを送り返してしまう。
どなたですか?
返事はすぐに返ってきた。
助けてください
なんだよ……
不安になってきたところに追い打ちをかけるように
助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて……早く、スタンプをタップして
と恐ろしいほどの『助けて』が送られてきた。
新手の詐欺かよ。そ、そんな、押さねーよ
独り言をつぶやいている間にも、同じ文字が永遠に送られてくる。とうとう、恐怖に負け、スタンプをタップした。
かしゃん。
ありがとうございます。
メッセージとともにスタンプのメイドも動き出した。
は?どういうことだよ
はい、私は電脳メイド”ねね”です
何も、送ってないのに
私は声紋を認識して、ご主人様とお話ししております
お前は一体何者なんだよ
はい、ですから私は電……
それはわかってる。目的はなんだ
目的ですか?私はメイドです。ご主人様のお役に立つのが目的です
はあ……?
どうぞなんなりとお申し付けください
そうか。じゃあ、消えろ
かしこまりました。トットおいで
画面の上から赤いスライムみたいなやつが落ちてきて、ねねに腕にすっぽり収まった。
そいつは?
トットです。超高性能ネットウイルスなんです。この子を使えば携帯が壊れ、私は死にます
うえぇ、俺のスマホ壊すのか!!!!
はい。じゃないと私は死ねません
マジかよ
高校に入り、初めて買ってもらったスマホを壊されるなんて。
それ以外で
ありません
ですよね
私を消さないのであれば、この携帯は壊れません
うぅ、しかたない。初スマホに変な奴がいるのも嫌だが、壊れるよりは……
ねねは満面の笑みでトットを抱きしめる。
よろしくおねがいします!
……