芳賀はちょっと驚いたような顔をした。
その少女の名は?
そんな気になる?
って、環ちゃん凄いね。年齢は言ってなかった気がするんだけど、もうどの子か分かったんだ?
芳賀はちょっと驚いたような顔をした。
焦らなくても、順々に話すよ
……名前は最初ではないのか
あの子とはちょーっと喧嘩しちゃってさ、いや、つまりいつもみたいにはうまくいかなかったんだ。それでちょっと避けられちゃってさ
大体すぐに女の子とは仲良くなれるんだけど、警戒心を忘れない、強い子だった
お前は好かれるのが上手いからな
その言い方は意地悪だよ。
……確かに、彼女歴はちょっと多いかもしれないけど
今……まさか無いとは思うが、その女と関わりはあるのか?
空気が一瞬にして凍り付いた。
だーかーらさ。俺、一途だよ?
急に真面目な顔になると、芳賀は目を斜めに流した。
――俺が、
本命の子と別れる前に他の子に手を出すような真似、するはずないじゃん
……
ん……『別れた』って表現はちょっと不適切かな?
いや、気にしない。
今お前が“一途”だというなら、気にしないさ
五日町は無表情のまま言う。
あれ、機嫌損ねちゃった?
まあ、“嫉妬した”と思ってもらっても良い
芳賀は目を細めて口の端を広げた。
喜んで良いかな?